プーチン大統領の側近がイラン訪問 弾道ミサイル売却で協議か

ロシアのプーチン大統領の側近、パトルシェフ安全保障会議書記が9日、イランを訪問し、ロシア軍が深刻な兵器不足に陥っていると指摘される中、イラン製の弾道ミサイルの売却をめぐって協議するのではないかという見方も出ています。

ロシアの国営メディアは9日、プーチン大統領の側近、パトルシェフ安全保障会議書記がイランを訪問していると伝えました。

イランの国防や外交政策を統括する最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長などと会談するということです。

この訪問について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は8日「イラン製の弾道ミサイルをロシアに売却する可能性について協議するとみられる」と指摘しました。

イランは、これまでロシアに無人機を供与したことを認めていて、ロシアとしては、深刻な兵器不足に陥っていると指摘される中、イランからさらに兵器の供与を受け、戦力の立て直しにつなげたいねらいもあるとみられます。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日に公開した動画で、東部ドネツク州で戦闘が激しさを増しているとしたうえで「ロシア軍から毎日数十回の攻撃を受けているが、われわれは1センチたりとも領土を譲らない」と述べ、領土防衛に全力を挙げる姿勢を強調しました。

こうした中、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは今月5日、アメリカ政府の関係者の話として、バイデン政権がウクライナに対して、ロシアとの交渉に前向きな姿勢を示すよう非公式に働きかけていると報じました。

働きかけの目的は、欧米でウクライナへの支援疲れが広がる中、戦争の長期化を懸念する各国からの支援をつなぎとめることだとしています。

“バイデン政権 ウクライナに働きかけ” 米報道

アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは今月5日、アメリカ政府の関係者の話として、バイデン政権がウクライナに対して、ロシアとの交渉に前向きな姿勢を示すよう非公式に働きかけていると報じました。

それによりますと、働きかけの目的はウクライナを交渉のテーブルにつかせることではなく、欧米でウクライナへの支援疲れが広がる中で戦争の長期化を懸念する各国からの支援をつなぎとめることだとしています。

ウクライナは、占領された領土の奪還も目指してロシアと徹底抗戦する姿勢で、プーチン大統領とは交渉は行わないとする方針を決定しています。

ワシントン・ポストは、アメリカがウクライナに巨額の軍事支援を続ける中で「ウクライナに関するバイデン政権の立場がいかに複雑になっているかを物語っている」と指摘しています。