ゼレンスキー大統領 停戦交渉再開の条件 5項目掲げる

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側との停戦交渉の再開について、領土の回復やロシアが二度と侵攻しないと保証することなど5つの項目を条件として掲げました。
ウクライナとしては、交渉再開に向けては高いハードルがあるとして現時点で応じる用意はないと強調し、ロシア軍への反撃を強めていきたい考えとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、7日、公開した動画の中で、ロシア側との停戦交渉の再開について「われわれは繰り返し交渉を提案してきたが、ロシアはテロ攻撃や砲撃、脅迫で応じてきた」と述べ、ロシア側を批判しました。

そのうえで、交渉再開の条件として、領土の回復や国連憲章の尊重、戦争によって生じた損害に対する賠償、それに戦争犯罪者の処罰やロシアが二度と侵攻しないことを保証するといった5つの項目を掲げました。

ウクライナとしては、交渉再開に向けては高いハードルがあるとして現時点で応じる用意はないと強調し、ロシア軍への反撃を強めていきたい考えとみられます。

一方、ゼレンスキー大統領は、8日、首都キーウを訪れたアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使と会談し、ウクライナ産の農産物の輸出について協議しました。

農産物の輸出をめぐっては、ウクライナとロシア、それに仲介役を務めたトルコと国連の4者による協議で、ことし7月に輸出再開に向けて合意され、この合意の期限が今月19日に迫っています。
会談でゼレンスキー大統領は「ロシアが望むと望まざるとにかかわらず、農産物の輸出は継続されなければならない」と述べ、合意の継続を強く訴えるとともに、先に合意を一時的に停止したロシアをけん制しました。