芋を洗って食べる“幸島のサル” 観察会 宮崎 串間
芋を水で洗って食べる文化的な行動をする野生のニホンザルが生息することで知られる宮崎県串間市の幸島で、サルの「芋洗い行動」の観察会が開かれました。
この観察会は、宮崎県串間市にある幸島のニホンザルを研究している京都大学野生動物研究センター幸島観察所が6日に開いたもので、県内外から17人が参加しました。
参加者たちは、串間市の200メートル沖に浮かぶ幸島に船で渡り、観察所の職員の鈴村崇文さんからおよそ90匹のサルが生息していることなどの説明を受けました。
このあと鈴村さんらがサツマイモを砂浜にまくと、サルたちは競うように拾い上げ、波打ち際にたまった海水で芋を洗ってから食べていました。
幸島では、昭和28年に1匹の子ザルが芋に付いた土を洗い流す「芋洗い行動」を始めたのをきっかけにほかのサルも次第にまねるようになり、世代を超えて受け継がれています。
このことから、幸島のサルは「文化を持つサル」として世界的に有名になりました。
この日は、芋と同様に小麦を洗う珍しい「麦洗い行動」も見られ、参加者たちは興味深げに観察していました。
東京から参加した男子大学生は「サルもこんな行動をするんだなと驚いたし、芋洗いが代々受け継がれていることに感心した」と話していました。