新型コロナ対策事業で100億円超の不適切支出を指摘 会計検査院

国の予算の使われ方を調べる会計検査院が昨年度の報告書をまとめ、新型コロナウイルス対策に関わる事業で、100億円を超える不適切な支出などが見つかったと指摘しました。

会計検査院の昨年度予算の検査報告書は、7日に森田祐司院長から岸田総理大臣に提出されました。

重点的に検査した新型コロナウイルス対策に関わる事業では、50兆8700億円余りの予算に対して、支出額は33兆8000億円余りだったことを明らかにしました。

このうち、
▽感染者の受け入れのため、病床を確保した医療機関に支払われる交付金では、合わせて55億円余りが過大に支出されていました。

なかでも、神奈川県内の病院は、対象となる病床や単価の算定方法を誤り、22億円余りをよけいに受け取っていたということです。

この病院は「誤って受け取ってしまった交付金は返金します」としています。

このほか、
▽「Go Toトラベル」のキャンセル分として、旅行会社などに支払われた補償や、
▽需要が減少した木材の利用を促進するために、工務店に支払われた助成金で、対象外のものが見つかるなど、
新型コロナ対策に関わる事業で、合わせて102億円余りの不適切な支出などが見つかったということです。

また、全体では310件、およそ455億円の不適切な支出などを指摘しています。

会計検査院は、国に対して返還させることなどを求めるとともに、特にコロナ対策事業では、一定期間に多額の国費が投じられていることを踏まえ、チェックを徹底するよう求めました。