【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア軍事侵攻“去年夏以降 大統領最側近ら内密に計画” 英紙

イギリスの新聞「タイムズ」は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の具体的な計画は、去年の夏以降、プーチン大統領の最側近らが中心となって内密に進め、最終的に、大統領を説得する形で決定したなどとする内幕を伝えました。

「タイムズ」の今月3日付けの電子版の記事は、ロシア政府の関係者の話として、ロシアを戦争に導くうえで中心的な役割を果たしたのは、プーチン大統領以外では、パトルシェフ安全保障会議書記と、治安機関のFSB=連邦保安庁のボルトニコフ長官、それに、ショイグ国防相だったと伝えています。

このうち、ソビエトの情報機関KGB=国家保安委員会出身のパトルシェフ氏と、ボルトニコフ氏が、軍事侵攻の必要性を強く主張したといいます。

ウクライナへの対応をめぐっては、去年夏の時点で、ウクライナ東部に小さな「国家」を樹立することや、領土のロシアへの併合、それに、ゼレンスキー政権を完全に排除し、ロシアのかいらい政権を打ち立てるという3つの案が検討されたとしています。

そして、夏の終わりまでには、パトルシェフ氏とボルトニコフ氏が、軍事侵攻の必要性を含めた原則的な決定を行い、あとはプーチン大統領を説得するだけという状況になっていたということです。

そうした中で、ショイグ国防相は、作戦にためらうこともあったとしています。

その後の具体的な検討も、ごく少人数で進められ、ラブロフ外相ですら、首都キーウに攻め込むといった作戦の詳細を直前まで知らなかったと指摘しています。

また、記事では、側近らが、プーチン大統領が高齢となり、西側への決定的な対抗策を見いだす時間が残されていないと考え、軍事侵攻という判断を急いだ可能性を伝えています。

ロシアへの無人機供与 松野官房長官 イランを強く非難

ウクライナ情勢をめぐり、イラン政府がこれまで否定してきたロシアへの無人機の供与を初めて認めたことについて、松野官房長官はイランを強く非難し、国際社会の平和と安定に向けて建設的な役割を果たすよう働きかけていく考えを示しました。

ウクライナ情勢をめぐり、イランのアブドラヒアン外相は「ウクライナの戦争の数か月前に、限られた数の無人機をロシアに供与した」と述べ、ロシアへの無人機の供与を初めて認めました。

これについて松野官房長官は、午前の記者会見で「強く非難する。イラン製ドローンによるとされるロシアの攻撃により、ウクライナ各地で多くの市民が犠牲となっていることを極めて深刻に受け止めている」と述べました。

ゼレンスキー大統領 “ロシアがインフラ標的 新たな攻撃準備”

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、新たな動画を公開し、ロシアによるエネルギー関連施設への攻撃の影響で各地で停電が続いていて、6日夜の時点でキーウ州を中心に450万人以上が電気を使用できない状況だと述べました。

さらに「テロリスト国家は戦力を集中させていて、エネルギー関連施設などのインフラ施設に大規模な攻撃を繰り返すだろう」と述べ、ロシアがインフラ施設を標的にした新たな攻撃の準備を進めていると強調しました。

AP通信など ブチャの監視カメラ映像など検証

ウクライナの首都キーウ近郊のブチャでは、3月下旬にロシア軍が撤退し、地元当局によりますとこれまでに450人余りの遺体が確認されています。

AP通信などは、数百時間に及ぶブチャの監視カメラの映像やロシア兵の電話の通話記録をもとに当時の状況について検証を行い、その結果を伝えました。

それによりますと、ロシア軍はブチャを占領していた当時、情報機関のリストをもとに住宅を1軒ずつ訪ね、ウクライナ軍に協力したり、ロシアを敵視したりしていることが疑われた市民を選別したうえで拷問し殺害していたということです。

またロシア兵はこうした活動を「浄化」と呼んで正当化していたということです。

AP通信は、市民の殺害はロシア側の組織的な活動だったと結論づけたうえで、「残虐行為により人々を恐怖に陥れ、服従させるための戦略だ」と伝えています。

ウクライナ 反転攻勢もロシアのインフラ攻撃で市民生活に影響

ウクライナ軍は、ロシア側が占拠してきた南部の要衝ヘルソンなどで領土の奪還を目指して反転攻勢を続けていて、ヘルソン州の親ロシア派幹部は6日、SNSで「ウクライナ軍がヘルソン州周辺に向けて戦車などを集結させている」としています。

一方、ロシア軍は、ウクライナの南部や東部への攻撃を続けていて、このうち南部ザポリージャ州の知事は6日、SNSでロシア軍による砲撃で2階建ての建物が破壊され、少なくとも1人が死亡したことを明らかにしました。

さらに、先月中旬以降、ロシア軍によるインフラ施設への攻撃がウクライナ全土で続いていて、市民生活への影響が深刻化しています。

英国防省 “ロシア軍司令官が解任” 分析を発表

イギリス国防省は6日、ロシア軍の司令官が解任されたという分析を発表しました。

この司令官については、ウクライナ軍による反撃で劣勢とされるなか目標を達成できていないとして批判の声が上がっていたということです。

イギリス国防省は軍事侵攻が始まって以降ロシア軍の幹部の解任が相次いでいるとして「ロシア軍の指導部への不満をそらそうとする試みの可能性がある」との見方を示しています。

ロシア ナイトクラブ火災で13人死亡 拘束の男はロシア軍兵士か

ロシアの首都モスクワからおよそ300キロ離れたコストロマ州にあるナイトクラブで5日火災が発生し、地元の捜査当局によりますと、これまでに13人が死亡しました。

当時ナイトクラブではイベントが行われていて、捜査当局は、客だった23歳の男が照明弾のようなものを発射し天井の装飾に燃え移ったことが火災の原因だとみて男を拘束しました。

ロシア国営のタス通信によりますと、男は容疑を認めているということです。

一部の地元メデイアなどは男の親族の話として、男は、ウクライナでの軍事侵攻にロシア軍の兵士として派遣され、ことし8月にケガをし治療のために国内に戻っていたということで、当局は詳しく調べています。