COP27きょう開幕 各国が一致したメッセージ打ち出せるか

国連の気候変動対策の会議、「COP27」が190を超える国と地域が参加して日本時間の6日夕方にエジプトで開幕します。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、対策の強化に向けて各国が一致したメッセージを打ち出せるかが焦点です。

COP27は日本時間の6日午後5時からエジプトの都市、シャルムエルシェイクで開幕します。

会議では2030年までの温室効果ガスの削減をどう加速させるかや、気候変動による被害を軽減するための資金や技術支援について話し合われます。

去年のCOP26では、世界の平均気温の上昇を1.5度までに抑える努力を各国が追求することで合意しましたが、国連の気候変動枠組み条約の事務局の分析では、各国の現在の削減目標では今世紀末までにおよそ2.5度上昇する見通しとなっています。

ことしもパキスタンで大規模な洪水や国内でも記録的な猛暑など各地で異常気象が発生し被害は深刻化していて、気候変動による影響への懸念が強まっています。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻で欧米とロシアの対立が深まり、ことし8月のG20=主要20か国の環境と気候変動問題の閣僚会合では共同声明を採択できませんでした。

COP27は今月18日までの予定で、各国の首脳や閣僚による会合も開かれます。

対策の強化が求められる中、各国が一致したメッセージを打ち出せるかが焦点になります。

「COP」とは

「COP」とは、1992年に採択された国際条約である「気候変動枠組条約」の「締約国会議」のことです。

「気候変動枠組条約」には、現在198の国と地域が参加していて、1995年以降、毎年のように「COP」を開いて協議し気候変動への取り組みを前に進めてきました。

1997年には、京都で行われた「COP3」で、先進国に温室効果ガスの削減を義務づける「京都議定書」を採択したほか、2015年にフランスのパリで開かれた「COP21」では、発展途上国を含むすべての国が削減に取り組むことを定めた「パリ協定」を採択しました。

「COP」には、各国の政府関係者だけでなくNGOやメディアも多く参加し、去年イギリスで行われた「COP26」の参加者は合わせて4万人以上にのぼりました。

今回のCOP27には、10月に就任したばかりのイギリスのスナク首相や、10月30日に行われたブラジルの大統領選挙で勝利し、来年の就任を控えたルーラ元大統領のほか、アメリカのバイデン大統領も参加する予定です。

会議は、今月6日から18日まで開かれ、7日から8日にかけては首脳級会合が開かれるほか、会議2週目の14日からは閣僚級の会合で成果文書の作成に向けた交渉が行われる見通しです。

「パリ協定」とは

「パリ協定」は、地球温暖化対策の国際的な枠組みです。

7年前の2015年にフランスのパリで開かれた「COP21」で採択され、翌年11月に発効し、194の国と地域が批准しています。

先進国だけに排出削減を義務づけた「京都議定書」とは異なり、発展途上国を含むすべての国が削減に取り組むことを定めています。

また、各国は5年ごとに削減目標を国連に提出し、取り組みの状況を報告することが義務づけられています。

パリ協定では世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力もすることや、世界全体の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにすることを、目標に掲げています。

ただ、去年イギリスで行われたCOP26で「平均気温の上昇を1.5度に抑える努力を追求する」という文言が成果文書に盛り込まれ、これまで努力目標にすぎなかった「1.5度」が事実上、共通の目標になったと受け止められています。

脱炭素へ向けた機運を維持していけるか

COP27はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機のさなかに行われます。

温室効果ガスの排出が多い石炭に回帰する動きもあるなか、脱炭素へ向けた機運を維持していけるかも大きな焦点です。

このうちヨーロッパではロシアからの天然ガスの供給が大幅に減少した影響で、エネルギー価格が高騰し、エネルギーの安定供給への不安も強まりました。

イギリスやドイツ、フランスなどでは、閉鎖を予定していた石炭火力発電所の稼働を延長させたり、閉鎖した発電所を再稼働させたりして石炭の利用を拡大しています。

また、ロシア産の天然ガスの代わりにアメリカや中東などのLNG=液化天然ガスの輸入を大幅に増やす動きも強まっています。

ヨーロッパの国々は、こうした措置はあくまで、エネルギー危機を回避するための一時的なものだとしていますが、専門家からはヨーロッパがLNGの輸入を増やすことでアジアなどで石炭の消費が増えているという指摘も出ています。

IEA=国際エネルギー機関は7月に発表した報告書で、ことしの世界の石炭の消費量が2013年に並ぶ過去最高の水準に達し、来年にはさらに増えるという見通しを示しています。