イラン ロシアへの無人機の供与 初めて認める

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対し、イランが無人機を供与していると指摘されていることをめぐり、これまで一貫して否定してきたイラン政府が一転侵攻が始まる数か月前に供与したとして、無人機の供与を初めて認めました。

ロシアがことし9月からウクライナ各地で攻撃に使っている無人機をめぐっては、ウクライナや欧米はイランが供与しているとして非難し、アメリカやEUなどがイラン側に制裁を科す措置に踏み切っています。

これに対し、イラン側は「ウクライナでの戦争に使うための無人機は供与していない」などとして一貫して否定してきました。

しかし、国営通信によりますと、アブドラヒアン外相は5日、首都テヘランで記者団に対し「ウクライナの戦争の数か月前に、限られた数の無人機をロシアに供与した」と述べ、初めて供与を認めました。

そのうえで「ロシアがウクライナでイラン製の無人機を使った証拠があれば、提供してもらうことでウクライナの外相と合意している。もし無人機の使用が証明されればわれわれは無関心ではいられない」と述べました。

イラン側がこれまでの姿勢を転換した背景には、国際的な圧力に加え、イランの元外交官らがウクライナ情勢をめぐる政府の対応を批判する共同声明を出すなど、国内からも批判の声があがっていることなども影響しているとみられます。