新型コロナ 世界各国の専門家 ”脅威終えるための対応” 提言

新型コロナウイルスを脅威ではないようにするためにどのような対応が必要か、世界各国で対策にあたってきた研究者や医師など400人近い専門家が提言をまとめました。ワクチン接種とほかの感染対策などを合わせた対応や、社会や政府を挙げての対応が求められるとしています。

提言は112の国と地域の386人の専門家が連名で、科学雑誌の「ネイチャー」に発表しました。

日本からは新型コロナ対策分科会のメンバー東北大学の押谷仁教授が参加していて、提言では誤った情報やワクチン忌避、世界的な協力の不足、装備やワクチンの不平等な分配などといった政治的・社会的要因によって世界の新型コロナ対策は妨害されてきたとしたうえで、コミュニケーション、保健医療システム、ワクチン接種、予防、治療、それに不平等の問題の6つの分野で合わせて41の声明と57の提案が示されています。

この中では、新型コロナを公衆衛生上の脅威ではないようにするために、政府や関係者が行うべき特に優先度が高い提案として、
▽社会全体で対応にあたること、
▽人々が必要とするものに応じられるよう政府全体で対応にあたること、
▽ワクチン接種とほかの感染対策や治療、それに財政的な後押しを合わせた「ワクチンプラス」という考え方に基づいた対応を挙げています。

また、信頼を醸成し、対策への協力を得るためのコミュニケーションの改善のほか、変異ウイルスの監視や後遺症についての研究が必要だなどとしています。

提言をまとめたスペインの研究者は「中立の立場から提言をまとめた。特に優先度の高い対策の提案については政策担当者が実行に移してほしい」と話しています。