【詳しく】北朝鮮 多数のミサイル発射 ねらいと今後の焦点は

防衛省や海上保安庁は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、「すでに落下したとみられる」と発表しました。なぜ北朝鮮はミサイル発射を繰り返すのかそのねらいと今後の焦点について解説します。

Q.このタイミングでの発射 北朝鮮のねらいは?

A.北朝鮮への抑止力の強化を進める日米韓3か国を威嚇するとともに、対決姿勢を鮮明にして、内部の引き締めも図るねらいがあるとみられます。

北朝鮮は先月、日本の上空を通過させる形で中距離弾道ミサイルを発射したのに続き、短距離弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルを相次いで発射しています。

また、2日は、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた短距離弾道ミサイル1発を含め、20発余りのミサイルを発射したばかりです。ことしになってからの発射はこれで30回と、異例の高い頻度です。

タイミングとしては、10月に入って、アメリカの原子力空母が日本海に再び展開し、米韓両軍や海上自衛隊が共同訓練を実施したほか、韓国軍の野外機動訓練が一部アメリカ軍も参加して行われました。さらに4日まで、米韓の空軍による5年ぶりの大規模訓練が行われていて、軍事的圧力を強めていたところです。

一方の北朝鮮は、この訓練について「侵略的かつ挑発的だ」として即時中止を求める談話を、連日発表していたほか「軍事的挑発を続けた場合、より強化した次の段階の措置を考慮する」、「武力行使を試みるなら、史上最も残酷な代価を支払うことになる」などとけん制していました。

Q.今後の焦点は?

A.まずは、今回発射されたミサイルが何なのかがポイントです。北朝鮮は去年1月に打ち出した「国防5か年計画」に基づき、核弾頭の搭載が可能で、低空を変則軌道で飛ぶなど多様なミサイルの開発を急ピッチで進めています。

今回発射されたミサイルについて、韓国の通信社、連合ニュースは、韓国軍当局者の話として「ミサイルは切り離しが行われていて、射程が中長距離の弾頭ミサイルと推定している」と伝えています。

また韓国軍は、ICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性についても分析を急いでいるとしています。

そして、北朝鮮の次の出方も焦点です。今年9月に北朝鮮は核兵器の使用を法制化し、「戦術核」などの開発のため核弾頭のさらなる小型化・軽量化を目指しています。

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、北朝鮮が7回目の核実験の準備をすでに終えたとの見方を示したほか、韓国の情報機関も、今月8日のアメリカの中間選挙までに核実験の可能性があるとみています。

またアメリカの専門家は、北朝鮮北西部トンチャンリの「衛星発射場」で大規模な工事が、東部シンポでSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを搭載できる新型潜水艦の進水準備が進められていると分析しています。

これまで、国連の安全保障理事会が制裁決議などを全会一致で採択し、北朝鮮の核・ミサイル開発に一定の歯止めをかけてきたのですが、ウクライナ侵攻などをめぐる対立からロシアと中国が北朝鮮を擁護するなど機能不全に陥っています。

それにつけいる形で北朝鮮が挑発の度合いを一段と強めることが懸念されています。