プーチン大統領 農産物輸出合意の復帰表明もウクライナけん制

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意への復帰を表明しました。
一方で「ロシアは撤退する権利を残している」とウクライナ側をけん制し、世界的な食料危機が懸念されるなか、安定した輸出が継続できるかが焦点となります。

ロシア軍の黒海艦隊が先月29日、ウクライナ側から攻撃されたことを受けて、ロシアはウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止すると表明し、ウクライナが、輸出に使う航路を軍事利用しない保証が必要だと主張していました。

これに対してウクライナや欧米各国からは批判の声が相次ぎ、仲介役のトルコと国連が調整を続けた結果、ロシア国防省は2日「ウクライナ側から航路を軍事利用しないという保証を書面で受け取った」と発表しました。

またプーチン大統領は2日に開いた安全保障会議で「国防省に完全な再開を指示した」と述べ、合意の履行を再開することを表明しました。

これについて国連のグテーレス事務総長は声明で「歓迎する」としたうえで、トルコの外交努力や船舶の安全な航行を監視する共同調整センターの取り組みに謝意を示しました。

一方で、プーチン大統領は「ウクライナが保証を破った場合には、ロシアは撤退する権利を残している」とけん制し、世界的な食料危機が懸念されるなか、安定した輸出が継続できるかが焦点となります。