ゼレンスキー大統領 “ウクライナ産 食料の安定的供給維持を”

ウクライナ産の農産物の輸出をめぐり、ロシアが合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は「何千万人もの人々の命にかかわる問題だ」などと述べ、ロシアを非難し、食料の安定的な供給を維持する必要性を訴えました。

ロシアによるウクライナへの侵攻が続く中、ウクライナの農産物の輸出をめぐってはことし7月、国連とトルコの仲介で、ロシアとウクライナが輸出の再開で合意しましたが先月29日、ロシアは合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明しました。

これについてウクライナのゼレンスキー大統領は今月1日、動画を公開し「『穀物回廊』には確実で長期的な保護が必要だ。これは何千万人もの人々の命にかかわる問題だ」と述べ、ロシアを非難し、食料の安定的な供給を維持する必要性を訴えました。

ウクライナの農産物の輸出をめぐっては、ウクライナと仲介役の国連とトルコがロシア抜きで、輸出を継続できるかどうか調整を続けていて、先月31日に続き1日もウクライナ南部から農産物を積んだ3隻の貨物船が出港したということです。

ただ、ロシア側はロシア抜きでの農産物の輸出を認めない考えを示しています。

また、ロシア側は、合意の履行について、再開するかどうかを検討するには、ウクライナが農産物を輸出する航路を軍事利用しない保証が必要だと主張していて、食料危機への懸念が強まるなか、事態の打開につながる動きが出るか注目されます。