プーチン大統領 “農産物輸出航路を軍事利用しない保証必要”

ロシアのプーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と電話で会談し、一方的に停止すると表明したウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行について、再開するかどうかを検討するにはウクライナが農産物を輸出する航路を軍事利用しない保証が必要だと主張しました。

ウクライナを侵攻するロシアは、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明しました。

ウクライナと仲介役の国連とトルコは、ロシア抜きで、輸出を継続できるかどうか調整を続けていて、10月31日に続き11月1日もウクライナ南部から農産物を積んだ3隻の貨物船が出港したということです。

ただ、ロシア側はロシア抜きでの農産物の輸出を認めない考えを示しています。

こうした中、トルコ大統領府によりますと、1日、エルドアン大統領が、ロシアのプーチン大統領と電話で会談し、「この危機を建設的な姿勢で解決し、交渉に戻る道を歩むよう助言する」と述べ、合意を引き続き履行するよう訴えました。

一方、ロシア大統領府はプーチン大統領がエルドアン大統領に対し、ウクライナ側が農産物を輸出する航路を利用して、ロシア軍の黒海艦隊に攻撃を行ったと説明したとしています。

そして「航路が軍事利用されない保証が必要だ。そのうえで、合意の履行を再開するかどうかを検討する」と強調したということです。

また、プーチン大統領は、ウクライナから輸出される農産物が、必要とされる発展途上国に届いていないとする主張を繰り返したとしていて、欧米やウクライナをけん制したとみられます。

トルコ政府によりますと、エルドアン大統領は近く、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話で会談を行うということで、世界的な食料危機への懸念が強まるなか、事態の打開に向けて交渉が続くことになります。