プーチン大統領“ウクライナが輸出の安全確保してない”と主張

ロシアが、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことに関連して、プーチン大統領は、ウクライナ軍によるロシア軍の黒海艦隊への攻撃を念頭に、ウクライナ側が輸出の安全を確保していないと主張しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの対応を改めて非難したうえで、ロシア抜きで輸出を継続したい考えを強調しました。

ロシアのプーチン大統領は10月31日、ロシア南部ソチで記者団の取材に応じ、ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことに関連して、「ウクライナは、民間船やロシアの船に対して脅威がないことを保証する必要がある」と述べました。

プーチン大統領としては、ウクライナ軍によるロシア軍の黒海艦隊への攻撃を念頭に、ウクライナ側が輸出の安全を確保していないと主張したものです。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は10月31日、記者会見で「国連とトルコが仲介した合意から、ロシアが離脱すると表明したことは、この合意を破るということだ。われわれは、世界の食料市場の安定のため、農産物を輸出する枠組みを継続していく」と述べ、ロシアの対応を改めて非難したうえで、ロシア抜きで輸出を継続したい考えを強調しました。

国連は10月30日、ウクライナと、仲介役のトルコとの3者で、ウクライナ産の農産物を積んだ貨物船の航行を継続する計画を明らかにしていますが、ロシア側は反発していて、航行の安全を確保しながら輸出を継続できるか模索が続けられることになります。