国際

【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月1日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる11月1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア ウクライナのインフラ施設を攻撃 各地で停電被害が報告

ロシア国防省は31日にロシア軍がウクライナのエネルギーのインフラ施設などを標的に攻撃したと発表し、首都キーウを含むウクライナ各地で停電などの被害が報告されました。

これについて、プーチン大統領は31日の記者会見で、黒海艦隊がウクライナ軍に攻撃されたとすることの報復かと記者から質問されたのに対し「ある程度はそうだ。しかし、われわれがやれるのは、これだけではない」と述べ、さらなる攻撃の可能性を示唆しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は31日「気温が下がるなか、ウクライナ側の戦意を低下させる試みだろう。ウクライナ側はキーウの住民の80%が断水となり、数十万が停電になったと報告している」と指摘して、冬が迫るなかロシア軍がウクライナの市民に対して心理的な圧力を強めていると分析しています。

国連とトルコ ロシア抜きで農産物輸出継続できるかも検討

ウクライナを侵攻するロシアは、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明し、これに対し、ウクライナと仲介役の国連とトルコは、ロシア抜きで、輸出を継続していけるかどうかも検討しています。

31日には、トルコのアカル国防相が電話会談で、ロシアのショイグ国防相に輸出継続の重要性を訴えたほか、トルコのチャウシュオール外相もロシアのラブロフ外相と電話会談し、意見を交わしたということです。

さらに、11月1日には、トルコのアカル国防相が、ウクライナのレズニコフ国防相と農産物輸出を担当するクブラコフ・インフラ相と電話会談しました。

しかし、ロシア側はロシア抜きでの農産物の輸出を認めない考えを示しています。

食料危機への懸念が高まる中、輸出継続に向けて、関係国の模索が続いています。

IAEA ウクライナの原子力関連施設2か所で査察開始

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は31日声明を発表し、放射性物質をまき散らすいわゆる「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性があるとロシア側が一方的な懸念を表明する中、「汚い爆弾」の製造に関わっているとロシアが主張するウクライナの原子力関連施設2か所で査察を始めたことを明らかにしました。

査察はロシアの主張に根拠が無いことを示すため、ウクライナ側がIAEAに要請したもので、グロッシ事務局長は声明で、査察はすみやかに終わる予定だとしていて今週後半にも初期的な結論を出すとしています。

IAEAは、査察を始めた施設の詳細は明らかにしていませんが、いずれも査察官が定期的に訪れていて、このうち1か所については、1か月前の査察で申告されていない原子力関係の活動や核物質は見つかっていないとしています。

ロシアの“ウクライナ産農産物輸出停止”で国連安保理緊急会合

ロシアが、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれました。

国連安保理の緊急会合は31日、ロシアの要請に基づいて開かれ、ネベンジャ国連大使は、農産物を輸出する船の安全確保に関わっていたロシア側の船が、29日、黒海でウクライナの無人機の攻撃を受けたとしたうえで、「ウクライナによる合意違反であり、安全を確保できないため合意の履行停止を余儀なくされた」と主張しました。

一方、国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は、ロシアが攻撃を受けたとしている29日の現地の状況について報告し、当時、農産物の輸出に関係した船は通過していなかったと明らかにしました。

このあと、欧米各国は、合意の履行を停止すると一方的に表明したとしてロシアを非難し、このうちフランスのドリビエール国連大使は「ロシアは、飢えを、圧力の手段や戦争の武器として使うことを意図的に選んだ」と述べました。

また、アフリカの理事国を中心に、世界の食料危機を回避するため合意の履行が必要だとする意見が相次ぎ、ケニアのキマニ国連大使は「ウクライナでの戦争の当事者ではない何百万人もの生活がより厳しくなっている」と訴えました。

プーチン大統領 “ウクライナ産農産物輸出停止”を正当化

プーチン大統領は、31日にロシア南部ソチで行われたアルメニアとアゼルバイジャンの首脳との会談のあと、記者団の質問に応じました。

このなかで、ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、プーチン大統領は「ウクライナ軍のロシア軍に対する攻撃が、一部、穀物が輸出される航路で行われた」と主張し、ロシア軍の黒海艦隊がウクライナ軍から攻撃を受けたからだと正当化しました。

そして「ウクライナは、民間船やロシアの船に対して脅威がないことを保証する必要がある」と述べ、ウクライナ側を批判しました。

また、農産物の輸出をめぐる合意の履行について「われわれは終了すると言っているのではない。停止するということだ」と主張しました。

一方、今月開催されるG20=主要20か国や、APEC=アジア太平洋経済協力会議のそれぞれの首脳会議にプーチン大統領自身が出席するかどうかについては「まだ決定されていない」と述べました。

プーチン大統領 アルメニアとアゼルバイジャン両首脳と会談

ロシアのプーチン大統領は31日、係争地をめぐって争いが続くアルメニアとアゼルバイジャンの首脳をロシアに招いて会談しました。

プーチン大統領としては地域の安定に向けて仲介する姿勢をアピールし、旧ソビエトの構成国である両国がロシアの勢力圏だと改めて誇示したいねらいがあるとみられます。

キーウなどに電力供給の会社役員“復旧用機器在庫底ついた”

ウクライナのエネルギー関連施設が相次いで攻撃を受ける中、首都キーウなどに電力を供給している電力会社の役員は、31日に「復旧作業に必要な機器の在庫が底をついた」と明らかにし、停電の復旧までに時間がかかることへの懸念を示しました。

地元メディアは、電力会社は、送電施設のスイッチなどの機器が不足していて、中には製造に半年から9か月ほどかかるものもあると伝えています。

一方、別の地元メディアによりますとウクライナ政府の担当者は、31日のロシア軍による攻撃で、重要なインフラ施設が被害を受けキーウにある携帯電話の基地局450か所が停電していると明らかにし「市内の一部地域では、電波がほとんど入らなくなるだろう」という見通しを示したということです。

米国務省も ロシア非難「食料を戦争の武器に」

ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、アメリカ国務省のプライス報道官は31日、記者会見で「ロシアは食料を戦争の武器として利用している」と述べ、人道危機や食料不安に陥っている低所得国にさらなる影響を与えるおそれがあるとして強く批判しました。

そのうえで「ロシアが速やかに合意に復帰し、ウクライナへの軍事侵攻をやめることが、食料危機に対処する上で最も効果的だ」と述べ、ロシアに対し、農産物の輸出をめぐる合意の速やかな履行と軍事侵攻の停止を重ねて求めました。

ゼレンスキー大統領 “輸出停止”一方的表明のロシア非難

ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は31日、記者会見で「国連とトルコが仲介した合意から、ロシアが離脱すると表明したことは、この合意を破るということだ。われわれは世界の食料市場の安定のため、農産物を輸出する枠組みを継続していく」と述べ、ロシアを非難し、農産物の輸出を継続していく考えを示しました。

ロシア国防省 ウクライナのインフラ施設など攻撃と発表

ロシア国防省は31日、ウクライナのエネルギーのインフラ施設などを標的に攻撃したと発表し、ウクライナ軍によりますと、首都キーウのほか、各地でロシア軍のミサイル攻撃による被害が報告されているということです。

さらに、ウクライナの隣国のモルドバ政府は、ウクライナとの国境近くの北部の村に、ロシア軍のミサイルが落下し、複数の住宅の窓が割れたと発表しました。

モルドバのポペスク外相は、ツイッターに「ロシアがウクライナへの攻撃を続けていることを最も強いことばで非難する」と投稿し、ロシアを強く批判しました。

また、モルドバ外務省は、首都キシナウに駐在するロシア大使館の職員1人を追放する処分をとったということです。

ロシア軍の攻撃をめぐっては、先月10日にもポペスク外相が「黒海のロシアの艦船より発射された3発の巡航ミサイルがモルドバの上空を通過した」と指摘し、駐在するロシア大使を呼び出し説明を求めたことを明らかにしています。

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