ハロウィーン 渋谷 韓国の事故受けパトロールなど警戒強める

韓国ソウルの繁華街で大勢の人が折り重なるようにして倒れて死亡した事故を受け、東京 渋谷区では、ハロウィーン当日を迎える31日夜は「渋谷への訪問を控えることも検討してほしい」と呼びかけているほか、夜間に職員によるパトロールを行うなど警戒を強めています。

渋谷区長“街に来ることを控えることも検討を”

29日、韓国ソウルの繁華街で大勢の人が折り重なるようにして倒れて死亡した事故を受け、渋谷区の長谷部区長はコメントを出し「韓国での事故を受け、お悔やみ申し上げます」としたうえで「渋谷区でも、警察と調整をしていますが、同様の事故が起きることを危惧しています。本日仮装での練り歩きなどを目的に来る方は、騒がない、立ち止まらないなどルールを守っていただくことは当然として、街に来ることを控えることも検討していただきたい」と呼びかけています。

渋谷区は警察との連携を強化するとともに、当初の予定どおり31日午後6時から11月1日午前5時まで、渋谷駅周辺の対象エリアの道路や公園などで路上飲酒を制限し、職員によるパトロールを実施することにしています。

また、民間の警備会社に委託し、警察と協力し合いながら、渋谷駅周辺に集まった人の誘導やマイクを使った呼びかけなどの対応にあたることにしています。

午後11時時点 渋谷の人出はピーク超えたか

午後11時の時点でも、東京・渋谷は多くの人で混雑していますが、帰宅を始める人の姿も見られ、人出はピークを越えたとみられます。

スクランブル交差点では、警察官がJR渋谷駅方向へ帰宅する人に対し、混雑するハチ公前広場をう回し、地下道なども利用するよう呼びかけています。一方、周辺では酒に酔った人の姿も見られ、警察官が歩行者に車道を歩かないよう注意を呼びかけています。

警視庁によりますと、周辺でドローンが飛行するなどの騒ぎがあったものの、これまでのところ大きなトラブルなどはみられないということです。

警視庁 警備強化 転倒防止対策を徹底

ハロウィーン当日となり、渋谷は仮装した人や見物客で激しく混雑することが予想され、警視庁は、センター街やスクランブル交差点の周辺に機動隊や「DJポリス」を配置して警備を強化しています。

韓国ソウルの繁華街で大勢の人が折り重なるようにして倒れて死亡した事故を受け、警視庁は、1か所に人が集中すると身動きがとれなくなるおそれがあるとして、歩行者に対し、なるべくセンター街を避けて通行するよう誘導します。

また、道路で写真撮影のために立ち止まると、後ろから来る人がつかえて転倒につながるため、警察官が細い路地なども含めてこまめに巡回を行い、立ち止まらないよう呼びかけを強化します。

そのうえで、場合によっては周辺の車道を規制して歩行者に開放し、密集や滞留を避けるなどの対応も検討していて、転倒防止の対策を徹底する方針です。

警視庁によりますと、混雑のピークは、31日夜遅くから1日未明にかけてとみられるということです。

商店街「自然発生で群衆 切実に困っている」

韓国の事故を受けて、渋谷の街の人たちからも懸念の声が上がっていました。

コロナ前の2019年まで3年連続で店のシャッターが壊れたというお好み焼き店の社長は「ハロウィーンの時期は人が多すぎて店の入り口をふさいでしまうので、全く店の売り上げにはつながらない。きょうは営業時間より早く店を閉めます」と話していました。

ハロウィーンの時期に大混雑する「渋谷センター街」の振興組合の小野寿幸理事長は「きのうまでの人出を見ていると予想以上に多く、危機感を感じている。渋谷にも、事故の起きた韓国のイテウォンのような幅の狭い道がいくつもある。コロナ前は渋谷駅周辺は大変混雑していたことを踏まえると、事故は渋谷で起きてもおかしくないと思った。渋谷区も警察も対策をとっているが、ハロウィーンはどこかの団体が主催したイベントではなく、自然発生で群衆となるので、商店街としても切実に困っている。国や東京都も対策に乗り出してもいいのではないか」と話していました。

夕方に閉店の店も

渋谷駅周辺では、夕方には閉店して対策をとる店もありました。

渋谷のセンター街でノンアルコールドリンクなどを中心に扱うバーでは、混雑を回避しようと、31日までの3日間、通常は午後10時までの営業を午後6時までに短縮しています。

ラストオーダーの午後5時半を迎え、客が店をあとにすると、入り口のドアのプレートを「閉店」の表示にして店内を片付けていました。

バーを経営する会社の元田済取締役は「混雑防止に加え、店のテーマがノンアルコールということで、昼間に仮装せずに楽しんでもらうという提案をしてみました。警察もこれだけ警備にあたっているので大丈夫だと思うが、1人1人が責任を持ってハロウィーンを楽しめればいいのかなと思います」と話していました。

3年ぶりの対面の仮装イベント 人がたまらないよう

「渋谷駅東口商店会」では、新型コロナの影響でオンラインで行っていた仮装イベントを、ことしは3年ぶりに対面でも開催しました。

実施するにあたって、対面での参加は中学生以下の子どもと付き添いの大人のみに限り、広報する範囲も限定的にしたうえで、予約制にしました。

感染拡大前は多いときで100人に上った参加者は、およそ60人となりました。

さらに会場となった渋谷駅の東側の広場では、エスカレーターや階段の付近など、人がたまったり転倒したりするおそれがある場所には、スタッフを2人ずつ配置し声かけをするなど、全体で合わせて12人が警戒にあたりました。

その結果、密集やトラブルはなくイベントを終えられたということです。

渋谷駅東口商店会の佐藤元彦会長は「韓国の事故は大変痛ましく思っています。やはり主催者側としては、安心・安全・楽しくというのが、どの団体にとっても基本だと思うので、そこに配慮し、全体的な配置や人の集まり具合を事前にある程度予測しながら、うまく誘導していく。ハロウィーンの場合はどうしても1か所に集中してしまうので、それを分散させるのがひとつの対策だと思います」と話していました。

原宿 竹下通りの混雑対策は

多くの若者でにぎわう東京の「原宿竹下通り商店会」の羽根田晴会長代行によりますと、竹下通りは、ふだんの週末やハロウィーンなどの際にも身動きが取れなくなるような危険な状態になることはほとんどないということですが、大型連休や春休みなどには地方からも多くの観光客などが訪れ、非常に混雑することがあるということです。

2010年3月には人気タレントが来ているといううわさが広まって大勢の若者が殺到し、10代の女性3人が病院で手当てを受ける事態となりました。

こうした事態も受け、商店会では警察と連携して、混雑が予想される際には道路の中央にロープを張って左側通行にしたり、人の流れを止めないよう、路上には看板や商品を置かないよう店に依頼するなど対策をとっています。

また人通りの多い場所にカメラを設置して密集状況を監視したり、混雑する春休みなどには定期的にパトロールなどもしていますが、人の流れを完全にコントロールするのは難しい場合もあるということです。

羽根田会長代行は「密集は急に発生し、予想外のタイミングで起きることもあります。今後もパトロールや誘導などの対策を続け、安全・安心な商店街作りを心がけていきたい」と話していました。