ゼレンスキー大統領 ロシアを非難 農産物輸出合意の停止表明で

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐり、合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明しました。
これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシアは意図的に食料危機を悪化させている」としてロシア側を非難しています。

ウクライナではロシア軍による封鎖で黒海に面する南部の港からの農産物の輸出が滞っていましたがことし7月、国連とトルコの仲介で、ロシアとウクライナが輸出の再開で合意しました。

しかし、ロシア外務省は29日、声明を発表し、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明しました。

これに先立ってロシア国防省は、一方的に併合したウクライナ南部クリミアに駐留するロシア軍の黒海艦隊がウクライナ軍の無人機による攻撃を受けたと主張し、外務省は、合意の履行を停止する理由として「船舶の安全な航行が保証できないこと」を挙げています。

これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、動画を公開し、「ロシアは食料を積んだ船の動きを妨害し、意図的に食料危機を悪化させている」とロシア側を非難しました。

そして、9月以降、合わせて176隻の貨物船が予定された航路を進めず、200万トン以上の農産物が輸出できていないと訴えました。

また、アメリカのバイデン大統領も「ロシアは、自分たちがひどいことをしているのは、西側諸国のせいだと主張できるような根拠を常に探している」と述べ批判しています。