マスク氏 ツイッターの買収完了「鳥は自由になった」

アメリカの起業家、イーロン・マスク氏によるソーシャルメディア大手、ツイッターの買収が完了しました。
今後、マスク氏のもとで世界で一日2億人以上が利用する巨大SNS、ツイッターがどのように変わるのかが注目されています。

アグラワルCEOなど幹部 “すでに解雇”

アメリカの証券取引委員会が、28日に公表した資料によりますと、アメリカの電気自動車メーカーのCEOで起業家のイーロン・マスク氏によるソーシャルメディア大手ツイッターの買収が27日、完了しました。

買収総額は440億ドル、日本円にしておよそ6兆4000億円に上ります。

買収にともない、ツイッターは、来月8日に上場廃止になる見通しです。

買収をめぐっては、ことし4月の買収表明のあと、いったん合意した買収計画をマスク氏が一方的に撤回し、ツイッターが買収の実施を求める訴えを裁判所に起こすなど、半年にわたって紆余曲折(うよきょくせつ)を経てきました。

複数のメディアはマスク氏が、ツイッターのアグラワルCEOなど幹部をすでに解雇したと伝えていて、今後、マスク氏のもとで世界で一日2億人以上が利用する巨大SNS、ツイッターがどのように変わるのかが注目されています。

マスク氏が投稿「鳥は自由になった」

マスク氏は、27日、自身のツイッターに「鳥は自由になった」と投稿しました。

ツイッターは青い鳥のマークが会社のロゴになっていて、この投稿は、マスク氏がツイッターの買収の完了を明らかにしたものだと受け止められています。

またマスク氏は27日、「広告主の皆様へ」と題した文書を自身のツイッターに掲載しました。

この中で、マスク氏は「SNSは極右と極左の声を増幅させ、さらなる憎悪を生み、社会を分断させる危険性が非常に高まっている。これまでのSNSは、クリック数を追い求めすぎるあまり、極論をあおってきた。それがお金になると信じているからだが、これにより対話の機会が失われる」などと指摘しました。

そのうえで、自身がツイッターを買収した理由について「簡単だからでももうけたいからでもない」として、健全な方法で議論ができる場を持つことが重要だからだなどと説明しました。

ツイッターの買収完了までの経緯

マスク氏によるツイッターの買収提案が明らかになったのは、ことし4月14日。

ツイッターの価値を大きく上回る総額430億ドル以上に上る巨額の買収提案は、世界中で驚きをもって受け止められました。

ツイッターは当初、買収を阻止しようと、敵対的な買収者の議決権の比率を下げる「ポイズンピル」と呼ばれる防衛策の導入を決めましたが、マスク氏の提案を上回る条件の支援先が見つからず、4月25日、一転して買収提案を受け入れました。

しかし、マスク氏は、その後、企業価値の算定に関わるツイッターの偽のアカウントの数が、会社側が説明しているよりも実際には多いと主張。

これを理由に7月8日、一方的に、買収の合意を撤回するとツイッター側に通知し、ツイッターは、買収の実施を求める訴えを現地の裁判所に起こす事態に発展していました。

アメリカメディアが買収の実施をめぐる裁判で、マスク氏が勝てる可能性は極めて低いという見方を伝える中、マスク氏は、裁判の審理が始まる10月半ばを前に買収を再提案。

裁判所は、マスク氏に対し、訴訟の継続を避けたければ、今月28日までに買収を完了するよう命じていました。

マスク氏は、この命令に従って買収に必要な資金などを調達し、27日に買収手続きを完了しました。