各電力会社 家庭向け電気料金 値上げ申請準備や検討のところも

燃料価格の高騰などで厳しい経営が続いていることから、各電力会社の中には家庭向けの電気料金の値上げについて国に認可を申請するか、準備や検討を始めるところも出ています。

中国電力 来年4月からの値上げ念頭に認可を申請へ

中国電力は28日、ことし4月から9月までのグループ全体の中間決算を発表し、最終的な損益が560億円の赤字となり、中間決算としては過去最大の赤字幅となりました。

これは、LNG=液化天然ガスや石炭など火力発電所の燃料価格が高騰していることが主な要因です。

こうした状況を踏まえ、中国電力は来年4月に企業向けの電気料金を値上げすることを決めたほか、家庭向けの「規制料金」という料金体系について、来年4月からの値上げを念頭に、来月にも国に認可の申請を行う準備を進めていることを明らかにしました。

記者会見した中国電力の瀧本夏彦社長は「利用者にさらなる負担をお願いすることは心苦しいが、資源価格高騰の影響を電力会社単独で抱え続けることはこれ以上難しく、ご理解いただきたい」と述べました。

一方で会社は、島根原子力発電所2号機について再稼働に必要な安全対策工事の審査状況などを踏まえた結果、今年度中としていた工事の完了時期を、来年度に延期すると正式に発表しました。

瀧本社長は「安全性向上の観点から追加の作業も行っていて、工事完了時期を『来年度のできるだけ早期』に変更する。早期の再稼働に向けて安全第一で取り組んでいきたい」と述べました。

東北電力「苦渋の決断だが、来年度早々には値上げしたい」

東北電力は、家庭向けの電気料金のうち国の認可が必要な「規制料金」について、来年度からの値上げに向けた申請の準備に入ることを明らかにしました。

東北電力のことし9月までの半年間の決算は、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安の影響で火力発電に使う天然ガスや石油などの価格が高止まりしたことから、最終的な損益は1363億円の赤字になりました。

東北電力の家庭向けの電気料金のうち契約の8割近くを占めているプランの料金は、ことし6月以降、最も高い状態が続いていて、さらなる値上げには国への申請が必要になっています。

これについて、東北電力の樋口康二郎社長は、28日の定例の記者会見で「できるかぎり今の料金水準を維持するよう努めてきたが、収支が厳しい。苦渋の決断だが、2023年度早々には値上げしたい」と述べ、家庭向けの電気料金のうち、国の認可が必要な「規制料金」について、値上げの申請に向けた準備に入ることを明らかにしました。

東北電力が家庭向けの電気料金の値上げを申請すれば、2013年以来となります。

具体的な値上げの幅は今後調整するとしていますが、現時点でおよそ3割を見込んでいます。

樋口社長は「さまざまな物価が上がる中、利用者に負担をかけるのは非常に心苦しいが電力を安定供給する上ではやむを得ない。当社も経営の効率化に取り組んでいく」と述べました。

四国電力 家庭向け料金 値上げに向け検討へ

四国電力は28日、今年度の業績予想を発表し、燃料価格高騰の影響で最終的な損益は過去2番目に大きい250億円の赤字になる見通しだと明らかにしました。

こうした状況を踏まえ、四国電力は、家庭向けで多い「規制料金」という料金体系の値上げに向けて検討を始めることを明らかにしました。

「規制料金」は、値上げの際に国の認可が必要で、四国電力では、燃料価格の上昇分を価格転嫁できる上限にすでに達していることから、これまで料金を据え置く状況が続いていました。

このため四国電力は、今後、値上げに向けて国に認可を申請するか検討することにしています。

四国電力の長井啓介社長は記者会見で「燃料価格の高騰によって料金に反映されない部分の燃料費が大幅に増加していて、企業努力だけではどうにもできない状況にある。電力を安定して供給するために理解してほしい」と述べました。