【詳細】岸田首相が会見 新たな総合経済対策を閣議決定

物価高や円安に対応するため、政府は、家庭や企業の電気料金の負担緩和策などを盛り込んだ財政支出の総額が39兆円程度となる新たな総合経済対策を決定しました。
岸田総理大臣の記者会見の内容です。

“GDPを4.6%押し上げる”

岸田総理大臣は新しい総合経済対策について、「対策は、財政支出が39兆円、事業規模はおよそ72兆円で、これによりGDPを4.6%押し上げる。また、電気代の2割引き下げやガソリン価格の抑制などにより、来年にかけて消費者物価を1.2%以上引き下げていく」と意義を強調しました。

電気・ガス 標準的な世帯で4万5000円の支援に

岸田総理大臣は新しい総合経済対策による電気やガス料金などの負担抑制で、標準的な世帯では、来年前半で総額4万5000円の支援になると明らかにしました。

“脱炭素の流れに逆行しないよう激変緩和措置を縮小”

電気料金の負担軽減策の「出口戦略」については、「脱炭素の流れに逆行しないように激変緩和措置を縮小し、省エネや再エネ、原子力の推進などと合わせて電力の構造改革をセットで進め、GX=グリーントランスフォーメーションを加速する」と述べました。

そのうえで、「現時点で来年9月以降のことについては何も決まっていないが、その時点のエネルギー価格の動向などを踏まえながら予断を持たずに判断していく」と述べました。

“結果を積み上げ国民の信頼を回復する”

また岸田総理大臣は、「従来から政治への信頼こそすべての基盤だと思っている。本日発表した経済対策もそうだが、国民の声を受け止めながら1つ1つ結果を積みあげ、この国の未来に全力を尽くし、国民の信頼を回復することを積み重ねていきたい」と述べました。

“日銀と連携し意思疎通を図りながら為替を注視”

円安が進む中での金融政策については、「為替だけではなく、物価や景気、国民の金利負担を総合的に加味して検討し、判断していくべきものだ。日銀が金融政策を判断するが、政府としては投機的な急激な為替変動は誰にとっても好ましくないという判断のもと、日銀と連携し、意思疎通を図りながら為替の状況をしっかり注視していく」と述べました。

そのうえで、「政府自体もこうした為替の状況を前にして、経済の強じん化を図っていかなければならず、さまざまな政策を総合経済対策の中で用意している。政府として適切な政策を重層的に用意することで、現状の経済や金融為替の状況に向き合っていきたい」と述べました。

“文化庁宗務課の体制拡充 8人から来月には38人に”

旧統一教会をめぐる問題への対応については、「担当部局の文化庁宗務課の体制を思い切って拡充し、8人から来月には38人にする」と述べました。

そのうえで、「法律や会計の専門家の協力を得つつ、他省庁が把握している情報の提供を受けるとともに、被害者や弁護士による団体などから情報提供や必要な協力を得ていく。文部科学省が宗教法人法に基づいて、具体的な証拠や資料、客観的事実が得られるよう、報告徴収、質問権を適切に行使していく」と述べました。

“マイナンバーカード 関係府省による検討会を設置”

マイナンバーカードについては、「紛失などの何らかの事情により 手元にカードがない方が保険診療を受けられる制度を用意する必要がある。さまざまな例外的なケースなど、さらに細部への対応を充実させるための方策について、国民の声を踏まえた丁寧な検討を行うために、関係府省による検討会を設置する」と述べました。

そのうえで、「マイナンバーカードで医療機関を受診することにより、健康や医療に関する多くのデータに基づいた、よりよい医療を受けられるなどのメリットがあるほか、現行の保険証には顔写真がなく、なりすましによる受診が考えられるなどの課題もある。こうしたことを考慮して、保険証を廃止していくという方針を明らかにした」と説明しました。

“経済対策の規模上積み 下振れリスクに対応の金額用意”

経済対策の規模が上積みされたことについては、「経済の下振れリスクに、対応できるだけの金額は用意しておかなければ、この不透明な状況でしっかり政策を進めることはできず、国民の安心につなげることはできない」と述べました。

“日中首脳会談による具体的な対話も考えていきたい”

中国で3期目の習近平指導部がスタートしたことについては、「他国の政党の活動にコメントするのは控えなければならないが、本年は日中国交正常化50周年の大きな節目の年だ。諸懸案も含めて対話はしっかり積み重ね、『建設的かつ安定的な日中関係』を双方の努力で構築していきたい」と述べました。

また、日中首脳会談の具体的な時期は決まっていないとしたうえで、「各分野、各層、議員外交など、さまざまな分野の外交がある。重層的なやり取りを行っていくことが重要で、日中首脳会談による具体的な対話についても考えていきたい」と述べました。

“原発再稼働の議論はGX会議において年末に向けて続ける”

岸田総理大臣は「再稼働をはじめとする原子力発電所の議論に正面から向き合うため、『GX=グリーントランスフォーメーション実行会議』において年末に向けて議論を続ける」と述べました。

そのうえで、「GX改革の重要性が指摘される中、ウクライナ情勢によりエネルギー安定供給の重要性も指摘されている。この2つを両立させるため、わが国のエネルギー政策をどのように進めていくのかという大きな議論をしっかり詰めてもらい、その議論を踏まえて政府として対応していく」と述べました。