北朝鮮が日本海に向け短距離弾道ミサイル2発発射 韓国軍が発表

韓国軍は、北朝鮮が28日正午ごろに東部から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表し、アメリカ軍とともにさらなる挑発への警戒を続けています。

韓国軍の合同参謀本部の発表によりますと、北朝鮮は28日午前11時59分ごろから午後0時18分ごろにかけて、東部のカンウォン(江原)道トンチョン(通川)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射しました。

飛行距離はおよそ230キロ、高度はおよそ24キロと低く、音速の5倍にあたるマッハ5の速度で飛行したということです。

北朝鮮は10月4日に日本の上空を通過させる形で、中距離弾道ミサイル1発を発射したほか、低空を変則軌道で飛ぶ短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返していて、ことしに入ってからの発射はこれで28回と、異例の高い頻度になっています。

キム・ジョンウン(金正恩)総書記は、今月9日まで15日間行われた戦術核運用部隊の訓練を視察した際に「必要な場合、すべての軍事的な対応措置を講じていく」と述べ、その後、北朝鮮軍が韓国側への警告として、日本海や朝鮮半島西側の黄海に向けて多数の砲撃を繰り返すなど、対決姿勢を強めています。

韓国軍は28日まで、定例の野外機動訓練を一部アメリカ軍も参加して行ったあと、今月31日からアメリカ軍と共同で最新鋭のステルス戦闘機を投入して空軍の訓練を実施する予定で、米韓両軍は北朝鮮のさらなる挑発に警戒を続けています。

防衛省も発表 “日本のEEZへの飛来確認されず”

防衛省は午後1時すぎ、現時点までに得られた情報を総合的に検討した結果、北朝鮮が、28日昼ごろミサイル2発を発射したと発表しました。

日本のEEZ=排他的経済水域への飛来は確認されていないとしています。

防衛省は、ミサイルの種類などについて引き続き、情報収集と分析を進めています。

異例の頻度で発射繰り返す北朝鮮 最近の発射は

先月はいずれも短距離弾道ミサイルで
▽25日に北西部ピョンアン(平安)北道のテチョン(泰川)付近から1発
▽28日に首都ピョンヤン(平壌)郊外の国際空港があるスナン(順安)付近から2発
▽29日に西部ピョンアン(平安)南道のスンチョン(順川)付近から2発を発射しました。

また今月は、
▽1日にピョンヤン郊外のスナン付近から短距離弾道ミサイル2発、
▽4日に中距離弾道ミサイル1発を北部のチャガン(慈江)道ムピョンリ(舞坪里)付近から日本の上空を通過させる形で発射しました。
▽また6日に、ピョンヤン郊外のサムソク(三石)付近から短距離弾道ミサイル2発▽9日に東部のカンウォン(江原)道ムンチョン(文川)付近から短距離弾道ミサイル2発
▽12日に西部のピョンアン南道ケチョン(价川)付近から巡航ミサイル2発
▽14日にもピョンヤン郊外のスナン付近から短距離弾道ミサイル1発を発射していました。

北朝鮮をめぐる最近の動きは

弾道ミサイルなどの発射を繰り返す北朝鮮に対し、日米韓3か国は連携して抑止力の強化を進めています。

アメリカは先月に続いて今月5日にも、原子力空母を日本海に再び展開し、日本や韓国とともに共同訓練を行いました。

さらに今月17日から28日までは、韓国軍の定例の野外機動訓練が一部アメリカ軍も参加して行われているほか、31日からは、最新鋭のステルス戦闘機が参加する米韓空軍の共同訓練が始まる予定です。

一方、北朝鮮は、今月9日までの15日間、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもとで、軍の戦術核運用部隊の訓練を実施し、弾道ミサイルを7回発射しました。

キム総書記は「必要な場合、すべての軍事的な対応措置を講じていく」と述べていて、北朝鮮は14日以降、日本海や朝鮮半島西側の黄海に向け、韓国側への警告として多数の砲撃を繰り返すなど、対決姿勢を強めていました。

韓国軍 飛行距離約230キロ 高度約24キロ マッハ5の速度で飛行

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が28日正午ごろに東部のカンウォン道トンチョン付近から日本海に向けて発射した短距離弾道ミサイル2発について、飛行距離はおよそ230キロ、高度はおよそ24キロと低く、音速の5倍にあたるマッハ5の速度で飛行したと発表しました。

韓国の専門家“ミサイル防衛網を突破するねらいか”

北朝鮮が28日に発射した弾道ミサイルについて、韓国の専門家の間では、高度がおよそ24キロと低いことなどから、ミサイル防衛網を突破するねらいがあるという見方が出ています。

韓国軍は来週、アメリカ軍と共同で空軍による大規模な訓練を行う予定で、北朝鮮がさらなる挑発に出ることも予想されます。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が28日午前11時59分ごろから午後0時18分ごろにかけて、東部のカンウォン(江原)道トンチョン(通川)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。

飛行距離はおよそ230キロ、高度はおよそ24キロで、音速の5倍にあたるマッハ5の速度で飛行したということです。

今回のミサイルについて、韓国の専門家の間では、高度が低く速度が速いことからミサイル防衛網を突破するねらいがあるという見方が出ています。

発射を受けて、韓国政府は緊急のNSC=国家安全保障会議を開き「たび重なる弾道ミサイル発射は朝鮮半島の緊張を高める挑発行為だ」として、北朝鮮を強く非難しました。

そのうえで、韓国軍がアメリカ軍と共同で、今月31日から5日間の日程で、最新鋭のステルス戦闘機を投入して行う予定の、空軍による大規模な訓練を通じて、防衛態勢を強化すると強調しました。

北朝鮮は後ろ盾の中国で、共産党大会が開かれていた間は、自制していた弾道ミサイルの発射を再開した形で、米韓両軍の訓練を口実に、さらなる挑発に出ることも予想されます。