中央アジアとEU 初の首脳級会談 経済で連携強めるねらいか

ロシアが勢力圏とみなす中央アジアの5か国とEU=ヨーロッパ連合が初めて首脳級の会談を行いました。ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、一部の国がロシアと一線を画す姿勢を示す中央アジアは、EUと経済面での連携を強めるねらいがあるとみられます。

カザフスタン大統領府は27日、首都アスタナで中央アジア5か国とEUが初めて首脳級の会談を行い、それぞれの国の主権や領土の一体性を尊重する原則を支持することで一致したと発表しました。

これに先立ち、カザフスタンのトカエフ大統領はEUのミシェル大統領と首脳会談を行い「関係はさらに強固になっている」と強調しました。

これに対しミシェル大統領は「EUは民主主義を強化するための改革を支援する。人権や自由の尊重はわれわれの協力にとって重要な要素だ」と述べ、EUが重視する価値観を共有することに期待を示しました。

ロシアが勢力圏とみなす中央アジアをめぐっては、このところカザフスタンなど一部の国がロシアと一線を画す姿勢を示していて、EUと貿易などでの連携を強めるねらいがあるとみられます。

一方、EUとしても、エネルギーについてロシアに依存し、現在、対応を迫られていることを教訓に、中国に依存している資源の調達先を多角化しようと中央アジアとの関係を強化したい考えです。