ウクライナ原発職員も参加 核物質の悪用防ぐ研修 茨城 東海村

ロシアによるウクライナ侵攻で、原子力発電所が武力攻撃を受け、核セキュリティーの重要性が高まるなか、茨城県東海村でウクライナの原発職員も参加し、核物質が悪用されることなどを防ぐ研修が行われました。

日本原子力研究開発機構が開いた研修には、14か国から合わせて18人が参加し、ウクライナ西部にあるフメリニツキー原発で核物質の防護を担当するタチアナ・ビチコーバさんも参加しました。

研修では外部からの侵入を防いだり、核物質が盗まれテロなどに利用されるのを防いだりする対策を、原子力施設を再現したVRシステムなどを使って学んでいました。

ウクライナでは原発への砲撃が相次いでいるほか、ロシア側がウクライナが放射性物質をまきちらす爆弾、いわゆる「汚い爆弾」を使用する可能性について一方的に主張し、ウクライナの原子力発電公社は、ロシア軍が原発で保管している核物質や放射性廃棄物を利用したテロ行為を準備しているのではないかとの見方を示しています。

研修のなかでビチコーバさんは「ロシア軍の攻撃によって福島第一原発事故のような危機的な事態が起きそうになっている。どうやって守ればよいのでしょうか」と訴えていました。
原子力機構の直井洋介センター長は「『汚い爆弾』はひとたび使用されると広範囲に影響がおよび、国民の恐怖心もあおられる。使われないためにも核セキュリティー意識を国際的に高めることが重要だ」と話していました。