ロシア軍 核戦力使った軍事演習実施 ウクライナ側をけん制

ロシア軍は核兵器の搭載が可能なミサイルなど、核戦力を使った軍事演習をプーチン大統領の指揮のもと実施しました。
さらにプーチン大統領はウクライナ側には放射性物質をまき散らす、いわゆる「汚い爆弾」を使う計画があると言及し、ウクライナ側をけん制しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は26日に公開したビデオメッセージで「戦いの最前線では大きな変化はないものの、最も激しい戦いは今もドネツクで続いている」と述べ、東部を中心に激しい攻防が続いているとしています。

こうした中、ロシア大統領府は26日、ロシア軍が定期的に行っている核兵器の搭載が可能なミサイルなど核戦力を使った軍事演習を開始したと発表しました。

演習の様子は国内外に映像で公開され、プーチン大統領が首都モスクワからオンライン形式で指揮をとったということです。
さらにプーチン大統領は放射性物質をまき散らす、いわゆる「汚い爆弾」について「ウクライナ側が挑発として利用する計画は知られたところだ」と述べ、ウクライナ側が使用する可能性があるとする、これまでのロシア側の一方的な主張に言及しました。

ロシアはウクライナ側をけん制する動きを繰り返していて、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは「プーチン大統領の『汚い爆弾』発言はロシアが実施した軍事演習と相まって、今後、ウクライナ情勢を深刻化させる可能性がある」としています。

松野官房長官「核兵器使用される可能性 深刻に懸念」

松野官房長官は午前の記者会見で「ロシア側の意図についてコメントすることは差し控えるが、ウクライナ情勢に関するものを含め、ロシア軍の活動を重大な関心をもって注視している」と述べました。

そのうえで「今般のロシアによるウクライナ侵略の中で核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しており、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならない」と述べました。