WHOが気候変動の影響分析 “人命失われるのを防ぐため行動を”

気温が異常に高くなって死亡する人が増加するなど気候変動が人々の生活に及ぼしたと見られる影響を分析した報告書を、WHO=世界保健機関などの研究チームが公表し「これ以上、人命が失われるのを防ぐためにもいますぐ行動を起こすことが必要だ」と警鐘を鳴らしています。

この報告書は、WHOなどの研究チームがイギリスの医学雑誌「ランセット」に25日、公表しました。

それによりますと、近年の急激な気温上昇の影響で2021年までの5年間に暑さに関連して死亡した人は、2004年までの5年間と比べ68%増加したと分析しています。

さらに気温の上昇は、病気に感染するリスクも高めています。

このうち蚊が媒介する「デング熱」に感染する可能性は、2021年までの10年間では1960年までの10年間と比べ12%高くなり、新型コロナと重なったことで、南米やアジア、アフリカの多くの地域で、医療システムがひっ迫したとしています。

また、気候変動の影響でオーストラリアやブラジルなど各国で洪水が相次ぎ、2020年から2021年にかけて、数千人が死亡しました。

報告書は、今も化石燃料への依存や再生可能エネルギーの導入の遅れもみられるとして「これ以上、人命が失われるのを防ぐためにもいますぐ行動を起こすことが必要だ」と警鐘を鳴らしています。