ウクライナ国防相「全領土の解放に現実的な計画」

ウクライナのレズニコフ国防相が25日、NHKの単独インタビューに応じました。
この中で、レズニコフ国防相は「占領されているすべての領土を解放するための現実的な計画がある」と述べ、計画に沿って、先月から反撃を強め東部ハルキウ州のほぼ全域を奪還したのに続いて、南部ヘルソン州の解放を着実に進めることにも自信を示しました。

ウクライナのレズニコフ国防相は25日首都キーウで、ロシアによる軍事侵攻が始まって以来、日本のメディアでは初めてNHKの単独インタビューに応じました。

この中でレズニコフ国防相は、ウクライナでの戦況について「第1段階はロシア側の動きを阻止することで、第2の段階は前線を安定させることだった。今は反転攻勢という第3段階に入っていて、着実に領土の奪還を進めている」と述べました。

領土奪還に向けた南部の状況についてレズニコフ国防相は、ロシア軍が農業用の用水路をざんごうとして使い、抵抗を続けているとして、反撃のスピードはこのところ弱まっているものの、部隊の機動力が低下する冬が来るまでに戦果を挙げていきたいと強調しました。

そして「一時的に占領されているすべての領土を解放するための現実的な計画が私たちにはある」と述べ、この計画に沿って、先月から反撃を強め東部ハルキウ州のほぼ全域を奪還したのに続いて、南部ヘルソン州の解放を着実に進めることにも自信を示しました。

一方、今月10日以降、ロシア軍によるミサイルや自爆型の無人機などによる攻撃が相次いでいることについてレズニコフ国防相は「ロシアが攻撃したのは民間の施設だけで、軍事施設は含まれていない」と述べ、ロシア側を改めて強く非難しました。

そのうえで「私たちが最優先で行うべきは防空システムの整備だ。市民を守らねばならない」と述べ、イランがロシアに供与していると指摘されている自爆型の無人機を効率的に撃墜することなどが可能な防空システムの導入に向けて欧米側の支援を訴えました。

そして、ロシアが核戦力の使用も辞さない構えを見せていることに関してレズニコフ国防相は「戦場で使えばロシア軍も危険にさらされる。仮に黒海で使えば、トルコ、ルーマニア、ブルガリアというNATOの加盟国も影響を受けるわけでどのような結果となるか彼らもわかっているだろう」と述べ、ロシア側を強くけん制しました。