プーチン大統領 軍備調達の会議で迅速な業務遂行求める

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、軍などに必要な物資を調達するための政府の会議で、迅速な意思決定や業務の遂行を指示しました。さらなる長期戦を見据えて国民の理解を得ようという思惑もうかがえます。

プーチン大統領は25日、軍事侵攻をめぐって、みずから設置を命じた政府の調整会議をオンライン形式で開き、会議の議長に任命されたミシュスチン首相や地方の自治体との調整役を担う首都モスクワのソビャーニン市長などが参加しました。

調整会議は、軍などの部隊に必要な物資を調達するために設置された新たな組織で、プーチン大統領は「あらゆる面で迅速な業務の遂行が求められる。質的に新たな結果を得るためには、従来のやり方では不十分だ」などと述べ、迅速な意思決定や業務の遂行を指示しました。

また、欧米からの経済制裁を受ける中、軍の装備品や医療面などの支援を充実させるため、中央政府と地方が連携することが重要だと強調し、速やかに各分野の具体的な目標を設定するよう命じました。

ウクライナへの軍事侵攻の開始から8か月が過ぎる中、ロシア軍は、ウクライナ軍の反転攻勢もあって多くの装備品を失い、制裁の影響も受けて、兵器不足に直面していると欧米側は指摘しています。

また、ロシア国内では予備役の動員に対して社会に動揺も広がっていて、プーチン大統領としては、軍事侵攻で必要な物資の調達に力を入れる姿勢を強調することで、さらなる長期戦を見据えて国民の理解を得ようという思惑もうかがえます。