新型コロナ 生後6か月~4歳対象のワクチン 自治体へ配送開始

新型コロナウイルスのワクチンのうち、生後6か月から4歳までの子どもを対象にしたワクチンの自治体への配送が、24日から開始され、今後、準備が整った自治体から接種が始まります。

子どもへの接種をめぐっては、ことし2月に対象が5歳以上に拡大され、7月にファイザーから生後6か月から4歳の子どもを対象にしたワクチンの承認の申請が行われ、今月、厚生労働省が承認しました。

ワクチンは、有効成分の量が大人のワクチンの10分の1で、3回の接種が必要とされ、3週間開けて2回目を接種したあと、少なくとも8週間開けて3回目を接種するとしています。

24日から来月下旬にかけておよそ700万回分のワクチンが自治体に配送され、準備が整った自治体から順次、接種が開始される予定で、東京・港区では、25日から接種を始めるということです。

ファイザーは、臨床試験の結果、有効性については、オミクロン株流行下で3回目の接種をしてから7日以降に73.2%の発症予防効果が確認されたとしています。

また、安全性については、38度以上の発熱や食欲不振などの副反応があったものの、ほとんどが軽度か中等度だったとしています。

接種は、予防接種法の規定で「努力義務」とされていますが、厚生労働省は、法的な強制力や罰則はなく、あくまで本人や保護者の判断に基づいて接種するものだとして、自治体に対し周知を徹底するよう呼びかけています。

専門家「臨床試験ではこの年代でも発症を防ぐ効果確認」

日本小児科学会理事で新潟大学の齋藤昭彦教授は、生後6か月から4歳の子どものワクチン接種について「臨床試験ではこの年代でもワクチン接種によって新型コロナの発症を防ぐ効果が確認されている。重症化を防ぐ効果がどの程度あるかについてのデータはまだないが、発症を予防できるということは重症化を防ぐ効果が十分期待できる」と話しています。

また、ワクチンの安全性について「厳密な比較はできないが、この年代での発熱などの副反応の頻度は大人よりも低い。かつ5歳から11歳の子どもと比較した場合でも、低いか、同程度となっていて、現状のデータでは安全性に問題ないといえる」としています。

そのうえで「ことしに入りオミクロン株が広がったことで子どもの感染者が圧倒的に増えたのに伴い重症化したり亡くなったりする子どもも増え、中でも乳幼児の症例はおよそ半数を占めている。乳幼児は、マスクをきちんと着用したり、自分で手洗いをしたりといった感染対策が難しい年齢だが、唯一できる積極的な予防がワクチン接種だ。他の感染対策ができない分、ワクチン接種によってまれにでもおこりうる重症化を防ぐという考え方で接種を積極的に検討してほしい」と話しています。