【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア 東シベリアで戦闘機が住宅街に墜落

ロシア国営のタス通信は、23日、緊急事態省の話として、東シベリアのイルクーツクで、スホイ30戦闘機が住宅街に墜落したと伝えました。

戦闘機は民家に激突し、乗員2人が死亡しました。住民のけがなどの情報はこれまでのところ、確認されていないとしています。

戦闘機は当時、試験飛行中だったということで、重大事件を扱う連邦捜査委員会が墜落の状況や原因を調べています。

ロシアでは今月17日にも南部クラスノダールの地方都市、エイスクで訓練飛行中のスホイ34戦闘爆撃機が集合住宅の敷地に墜落して火災が起き、子どもを含む住民15人が死亡しています。

ロシア軍 エネルギー関連施設を攻撃 ウクライナの7州で停電

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は、火力発電所など、エネルギー関連施設をねらった攻撃を続けています。

ウクライナ大統領府は、西部や南部の7つの州でおよそ150万戸が停電したとするなど、市民生活への影響が広がっています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は22日、「ウクライナが戦意を喪失する可能性は極めて低いが、気温の低下に伴い、経済的、人道的な課題がさらに増えるだろう」と指摘しています。
さらに、ロシア側は、一方的な併合に踏み切った東部ルハンシク州で、広範囲に及ぶ防衛線を築いていることがわかりました。

イギリス国防省が23日に発表した分析によりますと、防衛線は、プーチン政権とのつながりが指摘されるロシアの民間軍事会社「ワグネル」が築いているものでざんごうを掘ったり、戦車の進撃を阻む構造物などを設置したりして要塞化しているということです。

イギリス国防省は「ロシアは、現在の戦線の後方に深い防衛線を築くことに、多くの労力を払い、ウクライナの急速な反転攻勢を阻止しようとしている可能性が高い」としていて、東部では、「ワグネル」がウクライナ軍の反撃に対抗しようとしていると指摘しています。

東京 イラン大使館前でウクライナ人が抗議 無人機供与の指摘で

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対してイランが無人機を供与していると指摘されていることを受けて23日、東京 港区のイラン大使館の前で、日本で生活を続けているウクライナ人や日本への避難者など、およそ30人が抗議の集会を開きました。

参加者たちは、非難のメッセージが書かれたプラカードやチラシを掲げて抗議の意思を示しました。

そして「ロシアに武器を送るな」「イランはテロを支援するな」などとおよそ1時間にわたって訴えていました。

集会の主催者の1人、イゴリ・イグナティエフさんは「イランが無人機や武器を送ることで、ウクライナ人を苦しめるロシアを手助けしていることを自覚し、そうした行動をすぐにやめてもらいたい。私たちは戦争が終わるまで訴え続けることをやめないし、世界の人たちもそのことを忘れないでほしい」と話していました。

ゼレンスキー大統領「標的はエネルギー」

ウクライナのゼレンスキー大統領は22日に公開した動画で「われわれはきょうもインフラへの攻撃の影響を排除し続けている。今回の新たな大規模攻撃の範囲は非常に広い」と述べたうえで、「テロリストの主な標的はエネルギーだ。そのため意識的に電気を使うようこれまで以上に注意してほしい」として、エネルギー施設への攻撃が続くなか、電力の消費を控えるよう呼びかけました。

一方、ロシア軍によるミサイルなどの攻撃について「われわれの空軍はいい結果を出している。ロシアのミサイルや無人機を100%撃墜できる技術はまだない。しかしすでに多くの巡航ミサイルと無人機を撃墜している。きょうも半日だけで20発のミサイルと10機以上のイラン製の無人機を撃墜した」と述べウクライナ軍の成果を強調しました。

親ロシア派 ヘルソンの住民に退避呼びかけ

ウクライナ南部ヘルソン州を支配する親ロシア派は22日、SNSで中心都市ヘルソンの住民に対して直ちに退避するよう呼びかけました。

市街地に大規模な砲撃が行われる危険性が高まっていると主張し、ヘルソンの東側を流れるドニプロ川を渡って対岸に避難することを求めています。

ヘルソン州をめぐっては、ウクライナ軍が反転攻勢を強めロシア側に占領された中心都市ヘルソンに向けて部隊を進めているとみられ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は州の西部からロシア軍が撤退を始めたという見方を示しています。