【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(22日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる22日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領「1日中 防空警報が発令されていた」

ウクライナのゼレンスキー大統領は21日に公開した動画で「1日中、ウクライナのほとんどの地域で防空警報が発令されていた」とロシア側を非難しました。

そのうえで「われわれは敵のドローンや航空機を新たに撃墜した。ウクライナの南部と東部では激しい戦闘が続いているが、主導権を握っているのはウクライナ軍だ」と述べ、軍事侵攻に抵抗する姿勢を改めて強調しました。

また、ウクライナの穀物の輸出がロシア側の妨害によって滞り、現在、150隻以上の船が待機を余儀なくされているとしてロシア側を批判しました。

ウクライナ南部のダムめぐり ウクライナとロシアが非難の応酬

ウクライナ南部ヘルソン州にある水力発電所のダムをめぐり、21日、国連安全保障理事会の会合で、ウクライナとロシアの双方が、相手がダムに対する攻撃を準備していると非難しました。

ウクライナのキスリツァ国連大使は「ロシアがウクライナ南部で大惨事を起こそうと準備を進めているという情報がある。ロシアがダムを爆破すれば、何十万人もの人が住む地域が洪水の被害を受ける」と述べたほか「ザポリージャ原子力発電所の冷却用の水がなくなるおそれがある」と指摘しました。

そのうえで、ロシアがダムを攻撃しないよう国際社会が監視すべきだと訴えました。

一方、ロシアのネベンジャ国連大使は、ダムを攻撃しようとしているのはウクライナ側だと主張したうえで「安保理に書簡を送り、この恐ろしい挑発を防ぐよう国連に求めた」と述べ、非難の応酬となりました。

ウクライナ軍 動画でベラルーシに“ロシアに協力しないで”

ウクライナ軍は21日、隣国のベラルーシにロシア軍の部隊が到着するなど、ロシアとベラルーシが連携して軍事的な圧力を強めているとして、ベラルーシ国民に対し、ロシアに協力しないよう呼びかける動画を公開しました。

SNSに投稿された動画では「ウクライナとベラルーシの国民は、長年にわたって友好的で、よき隣人であり、これまでの歴史の中で何度も共通の敵と戦い、お互いに支え合ってきた」としています。

そのうえで「ベラルーシの指導部はロシアの侵略に加担する準備をしていて、自国民を汚れた戦争に引きずり込もうとしている」と批判し、ベラルーシ国民に対し、ロシアに協力しないよう呼びかけています。

ウクライナとしては、ロシアと共同歩調をとるベラルーシのルカシェンコ政権をけん制するねらいがあるとみられます。

ウクライナ大統領府発表 ヘルソン州で集落解放進む

ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は21日、SNSへの投稿で、ウクライナ軍の反転攻勢が進む南部ヘルソン州で、これまでに88の集落がロシア軍の支配から解放されたと伝えました。

ウクライナ政府は今月13日、ヘルソン州で75の集落を奪還したと明らかにしていて、1週間余りで新たに13か所が解放されたことになります。

一方、ヘルソン州の親ロシア派は、住民の強制的な移住を進めていて、ウクライナ側が非難を強めています。

ロイター通信は、ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部クリミアに住民が到着したとする様子を配信しています。

21日、クリミア北部のジャンコイで撮影された映像では、数台のバスが駅の前に到着し、スーツケースやリュックサックを持った人が次々と駅に向かう様子が確認できます。

到着した女性の1人は、ヘルソンの状況はひどいとしたうえで、このあとロシア南部のクラスノダール地方にある町に向かうと話していました。

ロシア“予備役動員で「恐怖」など感じる人 大幅増”

ロシア国内で予備役の動員が始まって以降「緊張状態」や「恐怖」などを感じる人が大幅に増えたとする、ロシアの独立系の世論調査機関の調査結果が、21日発表されました。

民間の世論調査機関「レバダセンター」は、予備役の動員が始まって以降の先月22日から28日にかけて、国内の18歳以上の1600人余りを対象に意識調査を行いました。

この中で「最近の気分についてどう表現するか」聞いたところ、
▼「良い気分」と答えた人は、ことし7月の前回調査よりも8ポイント下がって7%、
▼「いつも通り」は、20ポイント下がり45%でした。
また、
▼「緊張状態・いらいらする」は、15ポイント上がって32%、
▼「恐怖・憂うつ」は、11ポイント上がり15%となりました。

消極的な評価をした人のうち、69%が「国が間違った方向に進んでいる」と答えたとしています。

「レバダセンター」は「これほど急激な悪化は初めてだ」として、動員の発表後、ロシア国民の精神状態が急激に悪化していると指摘しています。

「レバダセンター」は政権から「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも独自の世論調査活動や分析を続けています。