スポーツクライミング複合W杯男子 楢崎が優勝 日本表彰台独占

スポーツクライミングの2種目による複合の初のワールドカップは、21日に盛岡市で男子の決勝が行われ、日本のエース、楢崎智亜選手が優勝しました。日本勢は緒方良行選手が2位、藤井快選手が3位に入り、地元開催の大会で表彰台を独占しました。

2年後のパリオリンピックと同じ形式のボルダリングとリードの2種目による複合で初めて実施された、ワールドカップの盛岡大会は、各種目100点ずつが与えられ、合計点数で順位が決まる方式で行われました。

21日夜行われた男子の決勝は、進出した8人のうち日本選手が5人を占め、準決勝でトップだった楢崎選手は、得意のボルダリングで4つの課題のうち3つを登りきって2位につけました。

そしてこの夏重点的に強化してきたというリードでは、力強い登りで高度を上げて、2種目の合計を156.4点として、初の2種目の複合ワールドカップで優勝を果たしました。

また、ことしのボルダリングのワールドカップで2年連続の年間チャンピオンに輝いた緒方選手は、得意のボルダリングで6位と出遅れたものの、課題として取り組んできたリードで全体トップの84点を獲得して巻き返し、合計138.4点で2位に入りました。

そして、ボルダリングで3位につけた藤井選手がリードでも安定した登りを見せ、合計132.6点で3位となり、日本勢が地元開催の大会で表彰台を独占しました。

このほか本間大晴選手が6位、川又玲瑛選手が7位でした。

複合のワールドカップは22日に女子の決勝が行われます。

優勝の楢崎 “東京での悔しい思いはパリで挽回したい”

楢崎選手は「ボルダリングの2つめの課題がフィジカル要素の高い課題で、そこを回数少なく登れたことが優勝につながった。リードでは予選・準決勝と力みが強かったので、リラックスを心がけた。上部が勝負となる課題だったので、リラックスしながら高度を伸ばせた」と決勝を振り返りました。

パリオリンピックで採用された2種目の複合の戦いについては「両方ができないと優勝はかなり難しいと感じた。ボルダリングとリードの両方で世界のトップクラスにいないと勝てないと思う」と話していました。

そのうえで「戦い抜く気力や体力はかなりついたと思うので、この冬に技術を向上させていきたい。東京オリンピックでメダルを取れず、今までで一番悔しい思いをしたので、その気持ちを常に持ってパリで挽回したい」と2年後のオリンピックへ向けた思いを語りました。

2位の緒方 “結果は悔しいが挽回して2位はうれしい”

緒方選手は「優勝を目標にしていたので、2位という結果は悔しいが、ボルダリングがダメだったところからリードで挽回して、2位まで上がれたのはうれしい」と話していました。

そのうえで「ボルダリングもリードもまだ得意不得意で差がある。どんな課題でも確実に優勝できる選手を目指したい。戦い抜けるスタミナもつけられるようにトレーニングしていきたい」とさらなるレベルアップを誓いました。

2種目の「複合」 順位決定方法は

今回、2種目で実施された複合の初めてのワールドカップでは、「ボルダリング」と「リード」にそれぞれ得点が与えられ、その合計得点で順位が決まる方式で行われました。

東京オリンピックでスポーツクライミングはボルダリングとリード、そしてスピードの3種目の複合として実施され、それぞれの種目の順位をかけ合わせて、その数字が最も少ない選手が上位となる形式で行われました。

しかし、順位の変動がわかりにくいことなどを理由に複合が2種目で実施されることになったパリオリンピックでは見直されることになりました。

今回のワールドカップでは、ボルダリングとリードのそれぞれの種目に最高で100点が与えられ、その合計得点で順位が決められる方式がとられました。

このうち、4つの課題があるボルダリングでは、コースの途中にある「ゾーン」と呼ばれる2つのポイントに到達すると得点が加算され、1つの課題を最後まで登りきると25点が与えられます。

ボルダリングは制限時間内に何度も壁に挑戦することができますが、成功して得られる得点から、それにトライして失敗した分だけ減点されます。

1回失敗すると減点される得点は0.1点です。

一方、一発勝負で壁を登った高さを競うリードは、登るための1手ごとに得点が加算されていく形式で、完登すると100点となります。

得点の決め方や配分は大会ごとに変わっていて、まだ固まっていないもののパリオリンピックでも同じ形式となる見通しです。

国際スポーツクライミング連盟の小日向徹副会長は「それぞれの種目で得点のつけ方を調整をしている。パリオリンピックの選手選考が始まるまでに配点方法を固めないといけない」と話しています。