名古屋バス事故 運転手が基準超の長時間勤務 運行会社を処分へ

ことし8月、名古屋市の高速道路でバスが横転・炎上した事故で、死亡した運転手が事故前に少なくとも2か月、国の基準を超える長時間の勤務を繰り返していたことが関係者への取材で分かりました。
中部運輸局は道路運送法違反に当たるとして、運行会社に行政処分を行う方向で検討しています。

ことし8月、名古屋市北区の名古屋高速道路で、バスが分離帯に衝突して横転・炎上し、乗客と運転手の2人が死亡、乗客など7人がけがをした事故で、中部運輸局や愛知労働局は死亡した55歳の運転手の勤務などに問題がなかったか調べています。

バスの運転手の勤務は、厚生労働省の基準で業務の開始から終了までの「拘束時間」が原則一日13時間以内と定められていて、延長した場合でも16時間を限度としています。

しかし、関係者によりますと、これまでの調査で事故を起こした運転手は早朝から昼すぎにかけてと、夕方から夜遅くにかけて、名古屋駅と県営名古屋空港を10回近く往復し、一日の拘束時間が16時間を超える勤務を月に複数回、事故前に少なくとも2か月続けていたことが確認されたということです。

中部運輸局は、道路運送法違反に当たるとして運行会社に対し行政処分を行う方向で検討しています。

一方、警察は事故の原因について、運転手の体調に何らかの異変があった可能性があるとみていて、長時間勤務との関連も調べています。

運行会社「乗務員が足りず 無理が生じた」

事故を起こしたバスの運行会社「あおい交通」の松浦秀則社長と、死亡した運転手が所属していた野口営業所の服部直樹所長がNHKの取材に応じ、運転手に国の基準を超える勤務をさせていたことを認めました。

この中で、2人は「基準を超えてはいけないことは分かっていましたが、乗務員が足りずコロナもある中で、運行便数を減らさずにやり続けないといけないという思いがあり、無理が生じてしまった」などと説明しました。

会社は事故のあと、運転手の勤務を改善するため中部運輸局の指導に基づいて運行本数を減らすなどの対策を行ったということで、社長は「深く反省し徹底して対策に取り組みます。『絶対安全』で再発防止に努めます」などと話しました。