EUとイギリス イランに制裁へ “ロシアに無人機供与”

EU=ヨーロッパ連合とイギリスは、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対して、無人機を供与しているなどとして、イランに制裁を科すことを決めました。

ロシア軍によるウクライナへの攻撃をめぐっては、イランが供与した無人機が使われていると、EUやアメリカなどは指摘しています。

イラン政府は関与を否定していますが、EUの報道官は19日の記者会見で「われわれは十分な証拠を集めた」と述べました。

そのうえで「イラン製の無人機が、ロシアに供与されてウクライナへの軍事侵攻に使われ、人々が殺害されている事態を非難する」として、イギリスとともに、イランに対して制裁を科すことを決めました。

また、アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官も20日、記者団に対し、これまでに数十の無人機が、イランからロシアに供与されたとしたうえで、イラン側が兵士を現地に送り込み、操作の訓練や技術的な支援にあたったという見方を示しました。

そして、ロシアとイランの双方に対して、さらなる制裁を科していく考えも明らかにしました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日「彼らは公には『何も売っていない』として否定しているが、インフラ施設や学校、大学で何百もの攻撃を受けた。エネルギーのシステムを止められたことで、市民が冬を越せなくなっている」と述べ、市民生活にも大きな影響が出ていると強調しました。

そのうえで「イランは、ロシアに無人機を供与し、それがウクライナ人を殺害している。イランが得ているのは、血にまみれたカネだ」と述べ、イラン政府を強く非難しました。