WHO 新型コロナ“緊急事態”宣言 当面続ける方針

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの現状について、世界全体で死者数が依然として多く変異ウイルスのリスクもまだよくわからないとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を当面、続ける方針を明らかにしました。

WHOは19日、本部のジュネーブで記者会見を行い、2020年1月から新型コロナウイルスの感染拡大に出している「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言について、解除できるか今月13日に専門家による委員会を開き、初めて本格的に検討したことを明らかにしました。

委員会では、世界での死者数が依然として多いことや、変異ウイルスのリスクがまだよくわからないといった意見が出たということで、「緊急事態の宣言を解除するには早すぎる」という判断で一致したということです。

WHOのテドロス事務局長は「いまのパンデミックは私たちを驚かせたが、今後再び驚かせる可能性がある」と述べ委員会の判断に従って宣言を当面、続ける方針を明らかにしました。

世界の新規の感染者数や死者数は減少傾向にありますが、ドイツやフランスなどでは感染者数や入院者数が再び増えるなど、新たな感染拡大への警戒も出ています。