ドラフト会議【全名簿】高松商 浅野は巨人 立教大 荘司は楽天

プロ野球のドラフト会議が行われ、ことしの夏の甲子園でホームラン3本を打つ活躍をした高松商業の浅野翔吾選手は、2球団が1位で指名し、抽せんの結果、巨人が交渉権を獲得しました。

ドラフト会議はソフトバンクが育成選手のドラフトで14人目の選手を指名したのを最後に、午後8時すぎに終わりました。

育成選手の指名選手を含めドラフト会議で【指名された全選手を球団別に】まとめています。

(※記事後半には1位指名選手の詳細あり)

ことしのプロ野球のドラフト会議は去年に続いて新型コロナウイルス感染防止のため、各球団ごとに部屋を用意するなどして午後5時すぎから東京都内のホテルで始まり、12球団の代表者が選手の指名を行いました。

このうち、ことし夏の甲子園で3試合で打率7割、3本のホームランを打つ活躍をした高松商業の浅野選手。
巨人、阪神の2球団から1位で指名され、抽せんの結果、巨人が交渉権を獲得しました。

また最速154キロの右ピッチャー立教大の荘司康誠投手は楽天とロッテの2球団から1位で指名され、抽せんの結果、楽天が交渉権を獲得しました。

また、西武はことしのセンバツ高校野球で滋賀県勢初となる準優勝に大きく貢献した近江高校の山田陽翔投手を5位で指名しました。
このほか日本ハムは大リーグ、元メッツの加藤豪将選手を3位で指名しました。元日本ハムの多田野数人投手以来、15年ぶりの大リーグでプレーした選手の指名となりました。

★各球団指名 全選手紹介★

ヤクルト(今季セ・1位)

即戦力と期待される東芝の吉村貢司郎投手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:吉村 貢司郎(東芝)投
2位:西村 瑠伊斗(京都外大西高)外
3位:澤井 廉(中京大)外
4位:坂本 拓己(知内高=北海道)投
5位:北村 恵吾(中央大)内

育成1位:橋本 星哉(中央学院大)捕
(選択終了)

オリックス(パ・1位)

白鴎大の左ピッチャー曽谷龍平投手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:曽谷 龍平(白鴎大)投
2位:内藤 鵬(日本航空石川高)内
3位:齋藤 響介(盛岡中央高)投
4位:杉澤 龍(東北福祉大)外
5位:日高 暖己(富島高=宮崎)投

育成1位:西濱 勇星(群馬ダイヤモンドペガサス)投
育成2位:才木 海翔(大阪経済大)投
育成3位:入山 海斗(東北福祉大)投
育成4位:茶野 篤政(徳島インディゴソックス)外
育成5位:村上 喬一朗(法政大)捕
(選択終了)

DeNA(セ・2位)

DeNAは大阪桐蔭高校の松尾汐恩選手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:松尾 汐恩(大阪桐蔭高)捕
2位:吉野 光樹(トヨタ自動車)投
3位:林 琢真 (駒澤大)内
4位:森下 瑠大(京都国際高)投
5位:橋本 達弥(慶応大)投

育成1位:上甲 凌大(愛媛マンダリンパイレーツ)捕
育成2位:鈴木 蓮(滋賀学園高)内
育成3位:今野 瑠斗(東京都市大塩尻高=長野)投
育成4位:渡辺 明貴(茨城アストロプラネッツ)投
育成5位:草野 陽斗(東日本国際大付属昌平高=福島)投
(選択終了)

ソフトバンク(パ・2位)

走攻守3拍子そろった内野手、誉高校のイヒネ イツア選手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:イヒネ イツア(誉高校=愛知)内
2位:大津 亮介(日本製鉄鹿島)投
3位:甲斐 生海 (東北福祉大)外
4位:大野 稼頭央(大島高=鹿児島)投
5位:松本 晴(亜細亜大)投
6位:吉田 賢吾(桐蔭横浜大)捕

育成1位:赤羽 蓮(霞ヶ浦高=茨城)投
育成2位:山下恭吾(福岡大大濠高)内
育成3位:木村 光(佛教大)投
育成4位:内野 海斗(武田高=広島)投
育成5位:岡植 純平(飾磨工業高=兵庫)投
育成6位:佐々木 明都(松韻学園福島高=福島)投
育成7位:水口 創太(京都大)投
育成8位:宮崎 颯(東京農業大)投
育成9位:重松 凱人(亜細亜大)外
育成10位:前田 純(日本文理大)投
育成11位:佐藤 航太(八戸学院光星高=青森)内
育成12位:飛田 悠成(金沢高)内
育成13位:西尾 歩真(中京学院大)内
育成14位:盛島 稜大(興南高=沖縄)捕
(選択終了)

阪神(セ・3位)

高松商業の浅野翔吾選手を1位指名しました。抽せんの結果、巨人が交渉権を獲得し、その後の2回目の1位指名で中央大の森下翔太選手の交渉権を獲得しました。

1位:森下 翔太(中央大)外
2位:門別 啓人(東海大札幌高)投
3位:井坪 陽生(関東一高=東京)外
4位:茨木 秀俊(帝京長岡高=新潟)投
5位:戸井 零士(天理高=奈良)内
6位:富田 蓮(三菱自動車岡崎)投

育成1位:野口 恭佑(九州産業大)外
(選択終了)

西武(パ・3位)

走攻守そろった大学ナンバーワン野手と言われる早稲田大の蛭間拓哉選手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:蛭間 拓哉(早稲田大)外
2位:古川 雄大(佐伯鶴城高=大分)外
3位:野田 海人 (九州国際大付属高)捕
4位:青山 美夏人(亜細亜大)投
5位:山田 陽翔(近江高=滋賀)投
6位:児玉 亮涼(大阪ガス)内

育成1位:野村 和輝(石川ミリオンスターズ)投
育成2位:日隈 モンテル(徳島インディゴソックス)外
育成3位:三浦 大輝(中京大)投
育成4位:是澤 涼輔(法政大)捕
(選択終了)

巨人(セ・4位)

高松商業の浅野翔吾選手を1位指名し、阪神との抽せんの結果、交渉権を獲得しました。
1位:浅野 翔吾(高松商)外
2位:萩尾 匡也(慶応大)外
3位:田中 千晴(国学院大)投
4位:門脇 誠(創価大)内
5位:船迫 大雅(西濃運輸)投

育成1位:松井 颯(明星大学)投
育成2位:田村 朋輝(酒田南高=山形)投
育成3位:吉村 優聖歩(明徳義塾高=高知)投
育成4位:中田 歩夢(東奥義塾高=青森)内
育成5位:相澤 白虎(桐蔭学園高=神奈川)内
育成6位:三塚 琉生(桐生第一高=群馬)外
育成7位:大城 元(未来沖縄高)外
育成8位:北村 流音(桐生第一高=群馬)投
育成9位:森本 哲星(市立船橋高=千葉)投
(選択終了)

楽天(パ・4位)

最速154キロの右ピッチャーで立教大の荘司康誠投手を1位指名しました。ロッテとの抽せんの結果、交渉権を獲得しました。

1位:荘司 康誠(立教大)投
2位:小孫 竜二(鷺宮製作所)投
3位:渡辺 翔太(九州産業大)投
4位:伊藤 茉央(東京農業大北海道オホーツク)投
5位:平良 竜哉(NTT西日本)内
6位:林 優樹(西濃運輸)投

育成1位:辰見 鴻之介(西南学院大)内
育成2位:古賀 康誠(下関国際高=山口)投
育成3位:竹下 瑛広(函館大)投
育成4位:永田 颯太郎(台湾体育運動大)内
(選択終了)

広島(セ・5位)

将来性を評価して苫小牧中央高校の斉藤優汰投手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:斉藤 優汰(苫小牧中央高)投
2位:内田 湘大(利根商=群馬)内
3位:益田 武尚(東京ガス)投
4位:清水 叶人(高崎健康福祉大高崎高)捕
5位:河野 佳(大阪ガス)投
6位:長谷部 銀次(トヨタ自動車)投
7位:久保 修(大阪観光大)外

育成1位:名原 典彦(青森大)外
育成2位:中村 貴浩(九州産業大)外
育成3位:辻 大雅(二松学舎大付属高=東京)投
(選択終了)

ロッテ(パ・5位)

ロッテは最速154キロの右ピッチャーで立教大の荘司康誠投手を1位指名しました。抽せんの結果、楽天が交渉権を獲得し、2回目の1位指名で専修大の菊地吏玖投手の交渉権を獲得しました。

1位:菊地 吏玖(専修大)投
2位:友杉 篤輝(天理大)内
3位:田中 晴也(日本文理高=新潟)投
4位:高野 脩汰(日本通運)投
5位:金田 優太(浦和学院高=埼玉)内

育成1位:吉川 悠斗(浦和麗明高=埼玉)投
育成2位:白濱 快起(飯塚高=福岡)投
育成3位:勝又 琉偉(富士宮東高=静岡)内
育成4位:黒川 凱星(学法石川高=福島)内
(選択終了)

中日(セ・6位)

多彩な変化球が持ち味の沖縄大の仲地礼亜投手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

1位:仲地 礼亜(沖縄大)投
2位:村松 開人(明治大)内
3位:森山 暁生(阿南光高=徳島)投
4位:山浅 龍之介(聖光学院高=福島)捕
5位:濱 将乃介(福井ネクサスエレファンツ)内
6位:田中 幹也(亜細亜大)内
7位:福永 裕基(日本新薬)内

育成1位:松山 晋也(八戸学院大)投
育成2位:野中 天翔(明桜高=秋田)投
育成3位:樋口 正修(埼玉武蔵ヒートベアーズ)内
(選択終了)

日本ハム(パ・6位)

日本ハムが投打の二刀流で注目を集めている日体大の矢澤宏太選手を単独で1位指名し、交渉権を獲得しました。

矢澤選手はピッチャーとしては最速152キロの伸びのあるストレート、野手としては身体能力の高さを生かしたバッティングが持ち味で、プロでも二刀流を続けることに意欲を示しています。

1位:矢澤 宏太(日体大)投
2位:金村 尚真(富士大)投
3位:加藤 豪将(大リーグ 元メッツ)内
4位:安西 叶翔(常葉大菊川高=静岡)投
5位:奈良間 大己(立正大)内
6位:宮内 春輝(日本製紙石巻)投

育成1位:藤田 大清(花咲徳栄高=埼玉)外
育成2位:中山 晶量(徳島インディゴソックス)投
育成3位:山口 アタル(米 テキサス大学タイラー校)外
育成4位:山本 晃大(信濃グランセローズ)投
(選択終了)

日本ハム3位に大リーグ元メッツの加藤豪将選手

大リーグ、元メッツの加藤豪将選手は、内野も外野も守れる守備が持ち味の右投げ左打ちの野手です。加藤選手はカリフォルニア州出身の28歳。2013年のドラフト会議でヤンキースから2巡目で指名されましたがなかなか大リーグに昇格できずマイナーリーグでのプレーが続いていました。それでもプロ10年目のことし4月、ブルージェイズで初めて大リーグに昇格し、日本選手の野手では初めて、日本のプロ野球を経験せずに大リーグ入りを果たしました。しかし、5月にブルージェイズを戦力外となり、その後はメッツに加入して傘下のマイナーリーグから大リーグ昇格を目指していましたが、メッツでは大リーグでの出場機会はなく6月に、大リーグ契約の40人枠から外れました。指名されれば元日本ハムの多田野数人投手以来、15年ぶりに大リーグ選手の指名になると注目が集まっていました。

【各球団1位指名選手 詳細】

今回の1位指名では、大学生が7人と社会人が1人の合わせて8人と、高校生の4人に比べて即戦力を期待する選手の獲得が目立ちました。

ヤクルト 吉村貢司郎投手(東芝)

東芝の吉村貢司郎投手は、最速153キロのストレートと空振りを奪えるフォークボールが持ち味の右ピッチャーです。東京都の日大豊山高校では、3年生の夏の東東京大会でチームを準優勝に導きましたが、甲子園の出場はありませんでした。進学先の国学院大学では、2年生の春からリーグ戦に出場し、4年生の春は先発として3勝1敗、防御率0.93の好成績を残しましたが、その後、右肩のケガを発症して秋のリーグ戦では1試合の登板のみとなりました。そして、プロ志望届を出しましたが、ドラフト指名から漏れたことから社会人野球の東芝に入りました。東芝では、1年目からチームの主力選手としてマウンドに上がり、ことしの都市対抗野球では、1回戦で敗れたものの、踏みだし足の左足を振り子のように後ろに振ったあと勢いをつけて前に上げる独特のフォームから繰り出される150キロを超えるストレートとフォークボール、それに、細かく動くカットボールを武器に6回を投げて1失点にまとめました。社会人通算では、9月26日までに公式戦通算で24試合に登板し、9勝3敗、防御率2.29と安定した投球を見せていて、即戦力になると期待されていました。
吉村投手は「大変うれしい気持ちとほっとした気持ち。期待に応えられるように先発としてローテーションに入れるように頑張りたい」と心境を話しました。また、去年はどの球団からも指名されなかったことを踏まえ「去年指名漏れして、何が足りないかをこの1年考えた。その結果としてきょう指名を受けたことはうれしく思うが、これに満足せず成長していけるよう取り組んでいきたい」と話していました。また、ヤクルトの印象については「2年連続セ・リーグで優勝しているので、強いチームだと思う。そこでしっかり活躍していきたい」と話していました。対戦したい選手については「プロの選手は全員すごいと思うので、自分のボールがどれくらい通用するのか試してみたい。誰かというよりいろんな人と対戦したい」と話していました。そして「奪三振率には自信を持っている。今後もいかしていきたい」と述べたうえで、今後の目標について「大事な試合とかで誰に任せるかとなったときに『みんなから吉村』と言われるような投手になりたい。そういう投手になることを目標にしてやっていきたい」と意気込んでいました。

ヤクルト 高津監督「試合を任せられる投手に」

ヤクルトの高津臣吾監督は東芝の吉村貢司郎投手の交渉権を獲得したことについて「うれしいのひと言。ことしの先発ピッチャーで1番評価していたので、交渉権を獲得できてうれしい」と喜びを語りました。そして、即戦力としての活躍を期待したうえで「われわれも頑張るので彼もしっかり努力をして、成長していってほしい。スワローズを背負うような安心して試合を任せられる投手になってほしい」と話していました。

オリックス 曽谷龍平投手(白鴎大)

白鴎大の曽谷龍平投手は、最速151キロのストレートとキレのあるスライダーが持ち味の左ピッチャーです。奈良県出身。秋田県の明桜高校では2年生の時に控え投手として甲子園に出場し、3年生の秋田大会の決勝では現在、日本ハムに所属している吉田輝星投手を擁する金足農業に決勝で敗れて甲子園出場を逃しました。白鴎大では、1年秋のリーグ戦で初登板を果たして、3年春からはエースとして活躍し、ことし春のリーグ戦までの通算成績は、11勝3敗、防御率1.85と安定した投球を見せています。身長1メートル82センチ、体重80キロと細身ながらしなやかな腕の振りから最速151キロのストレートを右バッターのインコースに投げ込むほか、キレのあるスライダーを持ち味をとしていて、ドラフト上位候補として注目されていました。
曽谷投手は、栃木県小山市の大学で指名の様子を見守ったあと、記者会見し「高い評価を受けたことで自信を持って次のステップに進めると思う。プロでは先発を目指したいが、まずは与えられた役割を精一杯できるように、練習していきたい」と述べました。また、目標とする選手を聞かれると「今シーズンで引退する能見投手のような息の長い選手を目指したい。プロでは1日1日が勝負だと思うので、これから1日ごとに勝負に勝っていきたい」と話していました。

オリックス 中嶋監督「先発でしっかり」

オリックスの中嶋聡監督はドラフト1位で交渉権を獲得した白鴎大の曽谷龍平投手について「獲得できてホッとしている。腕の振りも良くて角度のあるストレートを投げるので楽しみだ」と期待を寄せていました。起用法について問われると「先発でしっかりローテーションを守り軸になれる投手だと思っているので大きく育ってくれたらいい」と話していました。

DeNA 松尾汐恩選手(大阪桐蔭高)

大阪桐蔭高校の松尾汐恩選手は長打力と勝負強さを兼ね備えたバッティングが魅力のキャッチャーです。ことしのセンバツ高校野球で強力打線を誇る大阪桐蔭の3番バッターとして優勝に貢献し、春夏の甲子園で通算5本のホームランを打ちました。高校に入ってから内野手からキャッチャーに転向し強肩と素早いフットワークを生かした守りにも定評があり、プロ野球のスカウトから攻守で高く評価されています。また9月、アメリカで行われた18歳以下のワールドカップに日本代表として出場し、銅メダル獲得に貢献しました。
松尾選手は大阪・大東市の学校で会見し「選ばれるかどうかわからなかったのでほっとしました。1巡目で指名されると思っていなかったので光栄です」と話しました。DeNAの印象については「投打のバランスがいいチームだと思います。今永昇太投手とバッテリーを組んでみたいです」と話していました。そのうえで「打って走れるキャッチャーになって、トリプルスリーを獲得できるように頑張っていきたい」とプロでの活躍を誓いました。

DeNA 三浦監督「走攻守バランスの取れた高校生」

DeNAの三浦大輔監督は、松尾選手を単独で1位指名したことについて「無事、交渉権を獲得できてよかった。走攻守バランスの取れた高校生トップクラスの選手で、捕手としてのインサイドワークもあるし、打撃のパンチ力、走力もある」と評価しました。そして「焦らないでほしいが、早く1軍で、横浜スタジアムで活躍できる選手を目指してほしい」と期待感を示していました。

ソフトバンク イヒネ イツア選手(誉高=愛知)

愛知・誉高校のイヒネ イツア選手は名古屋市出身の18歳。両親がナイジェリア出身で、身長は1メートル84センチ、体重が82キロで走攻守3拍子そろった内野手です。高校ではショートを守り、金属バットでのスイングスピードは最大150キロと力強いスイングが持ち味で高校通算で18本のホームランを記録しています。また、遠投は110メートルと強肩で50メートル走は6.2秒と俊足も兼ね備えていてプロのスカウトからは走攻守すべての面でポテンシャルの高さを評価されています。その将来性から12球団のスカウトから注目され、ソフトバンクが早々に1位指名を公表していました。
イヒネ イツア選手は「安どしたという気持ちというか、本当に嬉しいと言う気持ちが1番です。昔からプロ野球選手になりたいと思っていたので支えていただいた方々に恩返しできるよう活躍していきたいと思います」と話しました。その上でソフトバンクについては「育成選手からもたくさんの選手が活躍しているチームなので、他の球団にはない強みのあるすごい球団だなと思っています。1位でも2位でも本当に努力して練習するというのは変わらないので頑張っていきたい」と話しました。憧れの選手に柳田悠岐選手、対戦したい投手にオリックスの山本由伸投手をあげ「柳田選手は誰もが憧れる選手であの強いスイングが魅力です。いまは遠い存在ですがいつか山本投手と対戦してみたいです」と力強く話していました。

ソフトバンク 藤本監督「プロに入って伸びる要素がある」

ソフトバンクの藤本博史監督はイヒネ イツア選手について「ショートとして、あれだけ足を運べる。打つ方では、柳田選手に近く、遠くに飛ばせる。足の速さも周東選手の次だ。それに加えて肩も強い。プロに入って伸びる要素がある」と走攻守3拍子そろった素質を高く評価していました。

阪神 森下翔太選手(中央大)

中央大の森下翔太選手は、身長1メートル82センチ、体重88キロの恵まれた体格からリストの強さを生かした鋭いスイングが魅力の右打ちの強打者です。神奈川県出身で、強豪の東海大相模高校に進学し、1年生の夏からレギュラーで試合に出場し3年生の春に甲子園に出場し、ベスト4進出に貢献するなど高校通算で57本のホームランを打ちました。中央大では、1年生の春から、レギュラーとして活躍し、ことし春のリーグ戦までの通算でホームラン8本、31打点の成績を残し、大学日本代表にも選出されました。恵まれた体格からリストの強さを生かした鋭いスイングで、打球を遠くに伸ばす能力にたけていて、ことしの春、打撃フォームの改善に取り組んだことで、確実性も増しました。
森下選手は「正直びっくりしていて、素直にうれしい。指名された順位に恥じないように、自分らしいプレーをしたい」と話しました。阪神の印象については「ファンの方々が熱い球団なので負けないように熱い気持ちを持ってプレーしたい」と話していました。また、目標の選手については大学の先輩でDeNAの牧秀悟選手をあげ「牧さんの背中をずっと近くで見ていたので1番尊敬している」と話していました。そして「阪神の本拠地、甲子園は自分としてはいい思い出がないので、いい思い出で塗り替えられるようにガツガツとプレーしていきたい。新人王を最初の目標とし、三冠王や、日本代表に選ばれるように頑張りたい」と意気込みを話しました。

阪神 岡田監督「即戦力として考えている」

阪神の岡田彰布監督は高松商業の浅野選手の交渉権を抽選で外し、森下選手の交渉権を獲得したことについて「抽選で外れた場合は森下選手を指名しようと決めていた。今のチームには右バッターの外野手が少なく、森下選手は即戦力として考えている。来年からでもポジションをとるくらいの気持ちでやってもらいたい」と話していました。

西武 蛭間拓哉選手(早稲田大)

早稲田大の蛭間拓哉選手は、大学ナンバーワン野手との呼び声高い、走攻守3拍子そろった選手です。群馬県出身で、小学3年生から野球を始め、西武ライオンズジュニアでのプレー経験もあります。埼玉の浦和学院では、1年春からレギュラーに選ばれ、キャプテンとして出場した3年夏の甲子園ではホームランを打つなど活躍し、チームのベスト8進出に貢献しました。その後、早稲田大に進み、東京六大学野球では、1年生から試合に出場し、これまで通算12本のホームランを打っています。なかでも2年生の秋のリーグ戦の慶応大との試合ではリーグ優勝を決める逆転のツーランホームランを打つなど、勝負強さも魅力です。また、高校、大学と各カテゴリーで、日本代表にも選ばれていて、プロのスカウトから注目され続けてきました。
蛭間選手は「西武はプロ野球を初めて見に行った球場で、そのときからプロ野球選手になる夢を持っていた。一番行きたい球団だったので、指名してもらってうれしく思う」と話しました。チームの印象については「打線がすごいという印象がある。栗山巧選手は通算2000本安打を達成し、厳しい試練を乗り越えたライオンズの顔だと思う」と話していました。また、松井稼頭央監督については「クールでかっこいいという印象だ」と笑顔で話しました。埼玉・浦和学院の同級生で、4年前のドラフト会議で西武から2位指名を受けた渡邉勇太朗投手と再び同じチームでプレーできることについては「渡邉投手がピッチャー、自分がバッターで活躍し、2人でヒーローインタビューをされることが目標だ」と話しました。そして、今後の目標について「新人王といいたいところだが、まだまだ実力がないので、1日1日が勝負だと思って努力してつかみたい。子どもたちに夢や希望を与えられる選手になりたい」と意気込んでいました。

西武 松井監督「将来ライオンズを背負っていく選手に」

西武の松井稼頭央監督は「監督1年目の初めてのドラフトでこういう出会いは非常にうれしく思う。評価しているのは走攻守。バッティングも広角に打てて、自分のポイントでしっかり打てる。常に全力プレーという話も聞いているので非常に楽しみだ」と話しました。そのうえで「プロ1年目ということで1年間通す体力であったりプロのピッチャーであったりいろいろなことを経験していくと思う。その中で将来ライオンズを背負っていく選手になってくれることを楽しみにしている」と期待を寄せました。

巨人 浅野翔吾選手(高松商)

高松商業の浅野翔吾選手は身長1メートル71センチと野球選手としては小柄ながら体重86キロの鍛え上げた体を生かした長打力と俊足を兼ね備えた外野手です。高松市出身の浅野選手はことし夏の全国高校野球で3試合で打率7割、3本のホームランを打つなど活躍し、高松商業を52年ぶりのベスト8に導きました。また、野球の18歳以下のワールドカップの日本代表にも選ばれ、3位になったチームを攻守で引っ張りました。右打席からライト方向にも長打を打てるパワーと俊足が持ち味で、各球団から高い評価をされていてことしのドラフト会議で注目の高い選手の1人でした。
浅野選手は「昔からプロ野球選手を目指していたが、まさか競合するような選手になるとは思っていなかったのでうれしい。伝統のある巨人に1位指名されてほっとしている」と喜びを語りました。そのうえで「自分は身長が小さいがそれに言い訳をすることなく身長が小さい選手に夢を与えられるような選手になりたい」と目標を話しました。

巨人 原監督「私自身も歓喜した」

2球団による抽せんの結果、浅野選手の交渉権を獲得した巨人の原辰徳監督は「くじを引くことに不安があったから道順も変えて、靴もスーツもネクタイも新しくした。非常にいい結果になったことは私自身も歓喜したし、血がわいたような気がした」と喜びを表現しました。そして「走・攻・守の三拍子そろったバランスのいい選手に育ってくれると思う。近い将来、ジャイアンツを担う選手になってくれると思うし、われわれもサポートして育てていきたい」と期待を寄せていました。

楽天 荘司康誠投手(立教大)

立教大の荘司康誠投手は、身長1メートル88センチの長身から投げ下ろす最速154キロの角度のあるストレートが持ち味の右ピッチャーです。新潟県の新潟明訓高校では甲子園の出場はなく、立教大に進学してからは右肩のけがなどの影響で3年生の春のリーグ戦からようやくベンチ入りし、秋には先発として勝ち星はなかったものの防御率2.22の好成績をマークしました。さらに、ことしの春のリーグ戦では、8試合に登板し、2勝1敗、防御率1.72とチームの主力として結果を残したほか、大学日本代表にも選出されました。長身から投げ下ろす最速154キロの角度のあるストレートが魅力で、伸びしろに期待があるとしてプロのスカウトから注目されていました。
荘司投手は、記者会見で「一番はほっとした気持ちがある。それと同時に今までお世話になった人たち、家族などの顔が浮かんできた」と喜びを語りました。1位指名を受けた楽天の印象については「東北のみなさんとの強い絆があり、ファンに愛されている球団だというイメージを持っている」と話しました。また、プロで対戦したい選手については「パ・リーグということでソフトバンクの柳田選手やオリックスの吉田選手といったすばらしいバッターと対戦したい」と話しました。そのうえで「もともといわゆる野球エリートというような野球人生ではなかったが、それでも自分を信じてやってきたのが今に結びついていると思うので、常に地に足をつけて1歩1歩成長していけたらと思う」と意気込みを話しました。

広島 斉藤優汰投手(苫小牧中央高)

斉藤優汰投手は、右投げ左打ちの本格派のピッチャーです。1メートル89センチの恵まれた体格から投げ下ろす最速150キロを超える力のあるストレートに加え、カーブ、スライダー、フォークボールの変化球を投げます。斉藤投手は、エースナンバーの1番をつけて出場した、ことし夏の南北海道大会は準決勝で敗れて甲子園には手が届きませんでした。それでも複数のスカウトが試合の視察に訪れるなどドラフト会議でも上位指名の候補の1人として注目されていました。
斉藤投手は「すごく光栄に思っている。きょうという日があったのは親や監督など支えてくれた人がいたからなので、感謝の気持ちでいっぱいです」と話しました。また、自身の持ち味については「ストレートの強さ」だとして、「ストレートを磨いて、ファンに応援されるような選手になっていきたい」と目標を話しました。広島の印象については、「ファンと一緒に戦っていて、雰囲気がいいチームだと思う。新井監督はすごく頼もしいイメージで、厳しく育ててもらって球団の意向に添えるように頑張っていきたい」と話していました。

広島 新井監督「心配せんでええけえね」

広島の新井貴浩監督は、斉藤投手について「体もしっかりしているし、何と言っても力強いストレートが魅力だ。彼が持っているポテンシャルは、球界を代表するものだ。それだけのものを持っているので、大きく強く育ってほしい」とほっとした様子で話していました。その上で斉藤投手に対して広島弁を交えながら「斉藤くん、初めまして。初めて生まれ育った町を離れる不安はあると思いますが広島もすごくいい町です。心配せんでええけえね。会えるのを楽しみにしとるよ」と笑顔でメッセージを送っていました。

ロッテ 菊地吏玖投手(専修大)

専修大の菊地吏玖投手は、身長1メートル83センチ、体重93キロの体格から最速152キロの力のあるストレートが持ち味の右ピッチャーです。北海道の札幌大谷高校では、甲子園の出場はありませんでしたが、専修大では2年生の秋のリーグ戦から登板し、ことしの春のリーグ戦までの通算成績は2部で23試合に登板して9勝4敗、防御率0.93でことしの春のリーグ戦では防御率1.20をマークし最優秀防御率とベストナインのタイトルを獲得しました。恵まれた体格から投げ下ろす最速152キロのストレートに加え、打者の手元で細かく変化するツーシームやスライダー、カーブなど多彩な変化球も持ち合わせています。大学日本代表にも選出されていて、完成度の高い投手としてプロのスカウトから注目されていました。
菊地投手は「ほとんどの球団が選手がかぶることなく1位指名の選手を公言していたので、くじを外した数少ない球団に、まさか自分の名前が入るとは思っていなかった。油断していたし、まさかという思いだ」と心境を話しました。指名された瞬間、目頭をおさえた菊地投手は、その理由を問われると「テレビで見ている家族や友人の喜んでいる姿が思い浮かんで目から汗が出た」とはにかんでいました。北海道出身の菊地投手は、日本ハムから大リーグに移籍したダルビッシュ有投手にあこがれていて、ロッテの吉井監督が日本ハムの投手コーチ時代にダルビッシュ投手を指導する姿をテレビでよく見ていたということです。菊地投手は「そういった方のもとで野球ができるのは本当に光栄なことだと思う。吉井監督のもとでとにかくどんな場面でもどんな立ち位置でも全力で腕を振りたい。ロッテのエースを目指して1日1日を過ごしたい」と意気込みを話しました。

ロッテ 吉井監督「直接見て 特徴を知りたい」

ロッテの吉井理人監督は、ドラフト1位で最初に指名した立教大の荘司康誠投手を抽せんで外したものの、菊地投手の交渉権を獲得したことについて「1位指名は数時間前に決めました。抽せんをはずしたのは、悔しいですが、菊地投手もスカウトから力のある投手だと聞いているので、まずは直接見て、特徴を知りたい」と話していました。

中日 仲地礼亜投手(沖縄大)

沖縄大の仲地礼亜投手は身長1メートル77センチ、体重83キロの右投げのピッチャーです。沖縄県出身で嘉手納高校では1年生の時にチームは甲子園に出場しましたが自身はベンチ入りできず甲子園でのプレーはありません。進学した沖縄大では3年生からエースを務めています。最速151キロのストレートとカーブやスライダー、それにスプリットなどの多彩な変化球が持ち味で、去年の全日本大学選手権で好投しプロのスカウトから注目されていました。
仲地投手は「名前が読み上げられた瞬間、うれしかったです。大学入学時はプロを意識していませんでしたが、沖縄の大学からでもプロ野球選手になれることを立証できたと思います」と喜びを話しました。そのうえで、「勝てるピッチャーになりたいので、1軍の先発で投げられるように結果を出し続けて、目標にされる選手になりたいと思います。新人王を目指したいです」と話しました。

日本ハム 矢澤宏太選手(日体大)

日体大の矢澤宏太選手は、最速152キロの伸びのあるストレートと、身体能力の高さを生かした打撃が持ち味の投打の二刀流で注目を集める選手です。神奈川県の藤嶺藤沢高校では、甲子園の出場はありませんでしたが、日体大では1年生から外野手としてリーグ戦に出場し、投手としてもことしの春のリーグ戦までの11勝をマークしています。また、外野手、投手、指名打者として合わせて3回、ベストナインに選ばれています。大学日本代表にも選出されていて、投手としては最速152キロのストレートに切れのあるスライダーを使って三振を奪うほか、打者としては、俊足と鋭いスイングで力のある打撃を見せ、投打ともにレベルの高いプレーを見せる二刀流として、プロのスカウトから注目されていました。
矢澤選手は横浜市にある大学のホールで野球部員や家族など、およそ200人が集まる中、テレビの中継を見守りました。そして日本ハムが交渉権を獲得したことをアナウンスされると、母の香さんから花束が贈られ、矢澤選手は、お返しに「ありがとう」とメッセージを書いた初めてのサインボールを手渡しました。

矢澤選手は会見で「『まさか自分が』という気持ちもあるが、まずはいちばん近くでお世話になったお母さんにありがとうと伝えたい」と喜びを語りました。また高校3年生のときに亡くなった父の明夫さんに向けては「この場にいてもらえないことは残念だが、喜んでくれていると思う。『やっと夢がかないました』『これからも見守っていて』と伝えたい」と話していました。そして、プロ入りに向け「二刀流をやることは小さい頃から自分では当たり前のことで、プロに入ってやめるというのはいやだった。大谷選手のような選手がいたチームだからこそわかることがあると思うし、新しいことをたくさん学んで成長していきたい。やるからにはどっちも本気でやりたい」と抱負を語りました。

矢澤選手の母「これからも追っかけをし続けたい」

母の香さんは「さっき宏太が『ありがとう』と言ってくれたが、私の方がありがとうという気持ちです。小さい頃から試合に出ることなどは『チーム情報が漏れる』と教えてくれなかったので、追っかけをしないといけなかった。これからも追っかけをし続けたいと思います。プロになっても感謝の気持ちを忘れず頑張ってほしい」と話していました。

日本ハム 新庄監督「新球場で走り回っているイメージできる」

日本ハムの新庄剛志監督は矢澤選手の交渉権を獲得したことについて「最高です。矢澤くんが生まれた時から一緒にユニフォームを着て野球をする運命だった。走攻守のどれをとっても僕以上のものを持っている印象で、早くブルペンでの球のキレと走りを見てみたい。新球場で走り回っているイメージができる」と喜びを話しました。

【競合を避けたドラフト会議】

ことしのドラフト会議で、事前に1位指名を公表したのはロッテ、阪神、DeNAを除く9球団。この数自体は特段多いわけではありませんでしたが、異例だったのは公表した選手の名前が9球団とも違ったことでした。

上位12人がそろわない

こうなった理由について、ある球団のスカウトは、ことしのドラフトは1位候補の12人がそろわなかったことから、各球団が重複して抽せんを外した場合のリスクを考え、ドラフト会議前に1位指名選手を続々と公表したとみています。

競合は2選手のみ

実際にドラフト会議で指名が競合したのは2人の選手だけでした。高松商業の浅野翔吾選手を巨人と阪神、立教大の荘司康誠投手を楽天とロッテが1位で指名し、いずれも抽せんの結果、事前に公表していた巨人と楽天が交渉権を獲得。けん制の効果が実ってか、9球団がいずれもお目当ての選手の交渉権を獲得したほか、事前に公表していなかったDeNAも大阪桐蔭の松尾汐恩選手の単独指名に成功しました。

ドラフト会議と言えば、競合による抽せんがだいご味の1つですが、ことしは波乱の少ないドラフトとなりました。

育成では4軍設置のソフトバンクが14人指名

ことしの指名選手は69人で去年の77人に比べ少なくなりました。また、育成選手の指名は57人で去年より6人増えています。

来シーズンから12球団で初めて4軍をつくる方針を明らかにしているソフトバンクが、去年の過去最多に並ぶ14人を指名しました。また、巨人も9人を指名しています。

来シーズンが始まったとき、20日に指名を受けた選手が1軍の舞台で活躍している姿を楽しみにしています。