観光バス横転事故 ブレーキに焼けた跡「フェード現象」か

静岡県の富士山の5合目から下る道路で観光バスが横転した事故で、警察などが車体を検証した結果、ブレーキに焼けた跡が確認されたことがわかりました。
警察は、フットブレーキを使いすぎる操作ミスが原因で、ブレーキがきかなくなる「フェード現象」が起きた可能性が高いとみて調べています。

今月13日、静岡県小山町の富士山の5合目から下る県道で、日帰りツアーの乗客と乗員36人が乗った観光バスが横転し、乗客の74歳の女性が死亡し、26人が重軽傷を負いました。

この事故で、警察は18日、国土交通省の職員やメーカーの技術者などと合同で、押収した車体の検証を行いました。

このバスのブレーキは「ドラム式」で、フットブレーキを踏むと車輪の内側につけられたドラムにブレーキシューという部品が押し当てられ、その摩擦でブレーキがきく仕組みになっています。

18日の検証の結果、ドラム部分とブレーキシューの双方に焼けた跡が確認されたことが、関係者への取材でわかりました。

また、ドラムには摩擦の熱で生じたとみられる「ヒートクラック」と呼ばれる亀裂も見つかったということです。

警察は、フットブレーキを使いすぎる操作ミスが原因で摩擦が弱まり、ブレーキがきかなくなる「フェード現象」が起きた可能性が高いとみて、当時の状況をさらに詳しく調べています。