自民 石井参院議院運営委員長が陳謝“野党 だらしない”発言で

自民党の石井参議院議院運営委員長は、衆議院予算委員会での質疑をめぐり野党側を「だらしない」など述べたみずからの発言を撤回し陳謝しました。

自民党の石井参議院議院運営委員長は17日夜、岸田総理大臣との会食のあと、記者団に対し「衆議院予算委員会が午後5時1分に終わるなど野党側に緊張感がない。それで『瀬戸際大臣』の首をとれるのか。だらしない」などと発言し、野党側は「野党を冒とくする発言だ」などと抗議していました。

これについて石井委員長は、18日午前、国会内で記者会見し、17日夜の自身の発言について「きのうの質疑者や各党を冒とくするような発言であったという指摘もある。しっかりと受け止めながら、発言は撤回し、心からおわびを申し上げる」と陳謝しました。

そのうえで、自民党の関口参議院議員会長と世耕参議院幹事長から厳重注意を受けたと説明し「私自身も参議院を取りまとめる議院運営委員会の要職にあるので、院の独自性をかんがみても、衆議院の委員会運営に対し口を挟み論評したということは誠に申し訳なく反省している」と述べました。

一方、記者団が「『瀬戸際大臣』とは誰のことか」と質問したのに対し、石井氏は「そのように私が発したならば、皆さんがご承知の大臣だと認識している」と述べ、さらに「山際大臣ということか」と問われると「そのように理解しているならそうだ」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「他の院の議事進行批判は問題」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「参議院において議長、副議長に次ぐナンバー3の役職である議院運営委員長の立場で、他の院の議事の進行などについて批判をするのは問題がある。本人は会見を開いて、発言の全面撤回と陳謝をしたので、しっかり受け止めて、職責を全うしてもらいたい」と述べました。

立民 泉代表「与党にけじめがない」

立憲民主党の泉代表は、党の会合で「野党がだらしないという話ではない。与党にけじめがない、閣僚に自覚がない、岸田総理大臣には決断力がないということだ」と指摘しました。

そのうえで「岸田総理大臣は、山際経済再生担当大臣の更迭や旧統一教会への解散命令の請求など、結論を早く出すべきという国民の声に、うやむやな答えを繰り返しているだけだ」と批判しました。

維新 松井前代表「古い政治家だと笑われる」

日本維新の会の松井前代表は、大阪市内で記者会見し「質問の連発や欠席戦術で委員会を引き延ばしたり、日程をずらしたりするのは、昭和の時代の与野党対決の三文芝居であり、『ままごと国会』だ。それを野党らしい活動ととらえることがおかしく、石井さんは古い政治家だと笑われるんじゃないか。野党はそんな土俵に乗らず、中身のある審議をきっちりとすればいい」と述べました。

公明 山口代表「議院運営委員長が野党批判 好ましくない」

公明党の山口代表は、記者会見で「衆議院側の議論に、参議院の議員が批判的な言及をすることは控えるべきだ。さらに、議院運営委員長という国会運営の要の役割であり、公平性も要求される立場で、野党を批判するのも好ましくない。謝罪した理由を本人がよく心にとどめて同じことを繰り返さないようにしていただきたい」と述べました。

国民 玉木代表「与党 緊張感が欠けている」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「もし石井氏や自民党が、山際大臣がふさわしくないと考えているのであれば、野党のアクションを待つまでもなく、辞めていただいたらいいのではないか。そういう発言をすること自体が与党側に緊張感が欠けていると言わざるをえない」と述べました。

野党の国対委員長らが協議 石井氏に謝罪求める方針確認

石井氏の発言を受けて、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の衆参両院の国会対策委員長らが、18日午後、国会内で対応を協議しました。

この中では、発言は国会を愚弄するもので容認できないなどとして、石井氏に対し、国会での謝罪を求める方針を確認しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「予算委員会の初日に酒を飲んで、そういうコメントをする人こそ緊張感がないのではないか。野党側は真剣にやっており、失礼極まりない。質疑の中身も見ず、『大臣の首を取る、取らない』と言っていたが、『自分で取れよ』という話だ」と述べました。

このあと、立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長は、自民党の野上参議院国会対策委員長に対し、石井氏の国会での謝罪を求めたうえで、現状では審議に応じられないという考えを伝えました。

これを受けて、午後4時から予定されていた参議院議院運営委員会の理事会は開催が見送られ、19日に委員会を開いて、石井氏が謝罪することになりました。