“イランがロシアに供与 自爆型の無人機攻撃” ウクライナ政府

ウクライナの首都キーウで複数の爆発があり、これまでに4人の死亡が確認されました。ウクライナ政府はイランがロシアに供与した自爆型の無人機による攻撃だとしてロシアとイランを非難しています。

ウクライナの首都キーウで17日、複数の爆発があり、ウクライナのイエルマク大統領府長官は「ロシアによる自爆型の無人機による攻撃を受けた」と明らかにしました。

キーウのクリチコ市長は、この攻撃でこれまでに4人の死亡が確認されたとしています。

攻撃についてレズニコフ国防相はイランがロシアに供与した自爆型の無人機による攻撃だとして、ロシアとイランを厳しく非難したうえで各国に対し両国への圧力を強めるよう訴えました。

ロシア軍は、今月10日もキーウなどに大規模な攻撃を行い、この時にもイラン製の無人機が使用されたと指摘されていますが、イラン外務省の報道官は17日の会見で、ロシアへの無人機の供与を改めて否定しています。

一方、ロシアと同盟関係にあるベラルーシの国防省高官は17日、ロシア軍の兵士およそ9000人と戦車や装甲車などがベラルーシに到着し、ベラルーシ軍と合同で軍事演習を行うと発表しました。

これに先立ち、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ウクライナやNATO=北大西洋条約機構の脅威が高まっていると主張しています。

ウクライナでの戦闘でロシア軍が劣勢に立たされる中、プーチン大統領はルカシェンコ大統領にさらなる軍事協力を求めているとみられ、ベラルーシでの軍事演習はゼレンスキー政権に対する揺さぶりともみられています。

ウクライナ国防相 ロシアとイランを厳しく非難

ウクライナのレズニコフ国防相は17日、みずからのツイッターに投稿し、ロシアがイランから購入した自爆型の無人機をウクライナの首都キーウへの攻撃に使ったとして、ロシアとイランを厳しく非難しました。

この中で「ロシアとイランはテロと死を広めようと結託している。今回、ロシアが使用したイラン製の無人機も、そのための道具のひとつにすぎない。こうした攻撃を撃退し、悪を打ち負かすため世界の民主主義の国は力を合わせ英知を結集させるべきだ」と述べ、各国に対しロシアとイランへの圧力を強めるよう訴えました。

イラン外務省 武器供与を否定

イランがロシアに無人機を供与していると指摘されていることについて、イラン外務省のキャンアニ報道官は17日、会見で「イランはウクライナとロシアの戦争でどちらの側にも立たないし、いずれに対してもいかなる武器も供与していない」と述べ、改めて供与を否定しました。

そのうえで「何十億ドル分もの兵器などを戦争当事者の一方に供与してきた国々が、もう一方への供与を非難するのはブラックジョークだ。ウクライナで平和と政治的解決を支援するなら、こんなに多くの兵器を送ってどうしようというのだ」と反論し、逆にウクライナを軍事的に支援する欧米各国を非難しました。

ウクライナ非常事態庁 全土で8人死亡

ウクライナ非常事態庁は、17日のロシアによる自爆型の無人機やミサイルでの攻撃で、合わせて8人が死亡したと発表しました。

それによりますと、首都キーウの中心部にある集合住宅が被害を受けた自爆型の無人機による攻撃で4人が死亡したということです。

また、北東部のスムイ州にある変電所がロシアによるミサイル攻撃で被害を受け、4人が死亡したとしています。

このほか、東部のドニプロペトロウシク州にある変電所もミサイルで攻撃され、1人がけがをしたということです。