来日中のウクライナ議員団 支援の継続を日本側に求める

来日しているウクライナ議会の議員団はNHKの取材に対して、「最悪の事態は、各国が戦争に疲れ、私たちにロシアと交渉するよう言ってくることだ」と述べ、ウクライナが占領された領土を奪還してロシアに勝利するまで、支援を継続するよう日本側に求める考えを示しました。

ウクライナの議員団5人は、ことし2月にロシアの軍事侵攻が始まって以降初めて15日から来日していて、今月下旬までの滞在期間中、国会議員や日本政府の関係者らと面会することになっています。

議員団の代表が17日、都内でNHKの取材に応じ、ハリーナ・ミハイリュク議員は「ロシア軍は、インフラ施設の破壊を試みていて、市民の生死に関わる状況だ。25万人以上が家を失い、200万人は水道を使えない。電力がなければ、暖房も使えない」と述べ、ロシア軍が発電所などを攻撃する中で、市民が厳しい冬をどう越すかが喫緊の課題になっていると訴えました。

また、これまでの日本の支援に謝意を示した上で「日本の支援とビジネス上の協力関係は極めて重要だ」と述べ、日本側にロシアへのいっそうの圧力強化を求めるとともにインフラの復旧や将来的な街の復興に向けて、支援や投資を呼びかける考えを示しました。

さらに、ミハイリュク議員は、ロシア軍がウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の占拠を続ける中、「日本は、原発での事故にどう対応したらよいか先端的な知見を持っている」と述べ、重大な原発事故が起きる恐れに懸念を示し、市民の被ばくをどう抑えるかなど、日本の経験に学びたいという意向を明らかにしました。
一方、かつて親ロシア派の武装勢力との戦闘を指揮し、現在も戦闘に参加しているというロマン・コステンコ議員は、戦地の部隊が冬を乗り越え、ロシア軍と戦えるよう発電機や防寒着などの支援が必要だと訴えました。

その上で、「私にとっての最悪の事態は、核攻撃を受けることではなく各国が戦争に疲れ、私たちにロシアと交渉するよう言ってくることだ。中途半端に停戦すれば、ロシアは調子に乗ってしまう」と述べ、ウクライナが占領された領土を奪還してロシアに勝利するまで、支援を継続するよう日本側に求める考えを示しました。