ウクライナ軍 南部で反転攻勢強める 大規模な反撃開始の見方も

ウクライナ軍は南部ヘルソン州で反転攻勢を強めていて、15日にも州北部で大規模な反撃を開始したという見方もあり、領土奪還に向け戦闘が激しくなっているものとみられます。

ウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合したとする南部へルソン州では75の集落を奪還したと13日発表するなど、東部だけでなく南部でも反転攻勢を強めています。

へルソン州を支配する親ロシア派の幹部は15日、SNSで住民に対して事実上の退避を呼びかけ、戦闘が激しさを増しているものとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、公開した動画で「ロシア軍に、東部でも南部でも勝つ見込みはないと分からせるために、われわれは、できるかぎりのことをしている。誰を送り込もうと敗北するだけだ」と述べ、ロシア側をけん制し、領土奪還に向けた意欲を語りました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア側の情報として、15日の分析ではウクライナ軍がヘルソン州北部で大規模な反撃を開始したと指摘しています。

また「戦争研究所」はロシアでの予備役の動員をめぐり、首都モスクワなどで私服の当局者が自宅に来て入り口を塞ぎ、動員に関する通知の受け取りを拒否できないようにしているという報告があると指摘しました。

一方、ウクライナ側は、東部ドネツク州とルハンシク州の戦線では一部、戦況は激しくなっており、特にドネツク州にあるウクライナ軍の拠点の1つバフムト方面で厳しい戦闘が続いていることをゼレンスキー大統領も示唆しています。