コロナ新規感染者数 1週間平均 全国で減少続くも下げ止まりか

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では2か月近くにわたって減少が続いていますが、北海道や東北では前の週より増えた地域もあり、下げ止まりの傾向が見られています。

NHKは、各地の自治体や厚生労働省で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 7週連続で減少

▽先月15日までの1週間では前の週に比べて0.77倍、
▽先月22日は0.71倍、
▽先月29日は0.77倍、
▽今月6日は0.70倍、
▽今月13日まででは0.85倍となっていて、7週連続で減少しています。

一日当たりの全国の平均の新規感染者数は、最も多かったことし8月下旬と比べると20万人近く減って、およそ2万8000人となっています。

39の都府県で前の週より少なくなっていますが、ほとんどの地域で減少のペースが前の週よりも緩やかになっていて、北海道、青森県、秋田県、山形県、福島県、山梨県、長野県、石川県の8の道県では前の週よりも多くなっています。

山形県

人口当たりの感染者数が最も多いのは山形県で、
▽先月29日までの1週間は前の週の0.92倍、
▽今月6日は0.84倍だったのが、
▽今月13日までは1.07倍と増加に転じています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ457人で、人口10万当たりの感染者数は299.34人となっています。

1都3県

【東京都】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.82倍、
▽今月6日は0.61倍、
▽今月13日までは0.81倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2838人となっています。

【神奈川県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.88倍、
▽今月6日は0.68倍、
▽今月13日まででは0.75倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1678人となっています。

【埼玉県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.77倍、
▽今月6日は0.61倍、
▽今月13日まででは0.79倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1349人となっています。

【千葉県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.83倍、
▽今月6日は0.59倍、
▽今月13日まででは0.83倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1131人となっています。

関西

【大阪府】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.71倍、
▽今月6日は0.71倍、
▽今月13日まででは0.81倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1981人となっています。

【京都府】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.70倍、
▽今月6日は0.62倍、
▽今月13日まででは0.79倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ422人となっています。

【兵庫県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.67倍、
▽今月6日は0.64倍、
▽今月13日まででは0.81倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ893人となっています。

東海

【愛知県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.62倍、
▽今月6日は0.70倍、
▽今月13日まででは0.74倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1343人となっています。

【岐阜県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.69倍、
▽今月6日は0.84倍、
▽今月13日まででは0.93倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ526人となっています。

【三重県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.71倍、
▽今月6日は0.75倍、
▽今月13日まででは0.77倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ427人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽先月29日までの1週間は前の週の1.09倍、
▽今月6日は0.79倍でしたが、
▽今月13日まででは1.04倍と再び増加に転じました。
一日当たりの新規感染者数はおよそ2073人となっています。

【宮城県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.89倍、
▽今月6日は0.85倍、
▽今月13日まででは0.89倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ580人となっています。

【広島県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.81倍、
▽今月6日は0.78倍、
▽今月13日まででは0.75倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ799人となっています。

【福岡県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.56倍、
▽今月6日は0.77倍、
▽今月13日まででは0.83倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ881人となっています。

【沖縄県】
▽先月29日までの1週間は前の週の0.86倍、
▽今月6日は0.80倍、
▽今月13日まででは0.85倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ330人となっています。

政府分科会 東邦大 舘田教授「多くの地域では下げ止まり兆候」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「全国的に減少が続いているが、多くの地域では下げ止まりの兆候が見られる。前の週より増えた北海道や東北などでは、気温が下がって換気しにくくなったことで、感染が広がりやすくなっている可能性もある。また、全国旅行支援が始まり、水際対策が緩和された中で、人と人との接触の機会が増え、感染が増えてくるリスクが高まっていて、下げ止まりから増加するのか、注意して見ていかなければならない」と話しています。

そのうえで「フランスやドイツなどでは感染の再拡大がすでに起きていて、日本でも水際対策の緩和で感染者の流入が増えるのをきっかけに、第7波を超える規模での感染拡大が起きうる。インフルエンザとの同時流行も想定して、新型コロナとインフルエンザのワクチンの接種を前倒しで進めることや、コロナの検査キットを事前に調達し、かぜのような症状が出たときに速やかに検査できるよう備えておくことも大事だ。また、どのようなウイルスが日本に持ち込まれ、どう国内で広がってくるのか、ゲノム解析をしっかりと行い、結果を広く共有することが大事になる」と述べました。