ウクライナ南部で攻防激化か ロシア側は内部で混乱も

ロシアのプーチン政権が一方的に併合したとするウクライナ南部のヘルソン州では、ウクライナ軍が反転攻勢を強め、攻防が激しくなっているものとみられ、ロシア側では住民に事実上の退避を呼びかけるなど内部で混乱も見られます。

ロシアは13日も東部や南部で攻撃を続けていて、ウクライナの非常事態庁は、南部の都市ミコライウでのミサイル攻撃で、集合住宅に住んでいた2人が死亡し、5人の行方が分からなくなっていると明らかにしました。

一方、ウクライナ軍は東部だけでなく南部でも反転攻勢を強め、ロシアが一方的に併合したとするヘルソン州では、知事が12日、SNSで、州内の5つの集落が解放されたと明らかにし、ロシア軍との激しい攻防が続いているとしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日に公開した動画で、都市部へのミサイル攻撃を非難したうえで、「テロに対しては、制裁や法的措置などあらゆるレベルで力を持って対処しなければならない」と改めてロシアと対決する姿勢を示しました。

こうした中、ヘルソン州を支配する親ロシア派のトップ、サリド氏は13日、SNSに声明を投稿し、ウクライナ軍からの反撃が各地で強まっているとしたうえで、住民にロシア南部などへの事実上の退避を呼びかけました。

サリド氏は「ロシアは自国民を見捨てず、常に困難なところに手を差し伸べてくれるはずだ」と述べ、プーチン政権に支援を要請しました。

これを受けてロシアの副首相は全面的な支援を約束すると表明したものの、ヘルソン州の親ロシア派の別の幹部が「住民の避難はないし、ありえない」などと反論し、ウクライナ軍の反撃を前にロシア側では内部で混乱も見られます。