「自殺総合対策大綱」女性の支援強化 初めて重点施策に

政府の自殺対策の指針となる「自殺総合対策大綱」が新たに決定されました。コロナ禍の影響などにより女性の自殺者が増加したことから女性に対する支援の強化が初めて重点施策に盛り込まれました。

「大綱」は15年前に初めて策定され、5年に1度見直しが行われています。

14日の閣議で決定された新たな「大綱」では、自殺者は減少傾向にあるものの依然として毎年2万人を超える水準で推移し非常事態が続いているとしています。

また、コロナ禍の影響で自殺の要因となるさまざまな問題が悪化したことなどにより、女性がおととしから増えているとして、女性に対する支援の強化を初めて重点施策に盛り込みました。

具体的には、予期せぬ妊娠などで悩みや不安を抱えた若い女性への支援を推進し、非正規雇用や子育て中の女性などにきめ細かい就職支援を行うとしています。

さらに、自殺した子どもも過去最多の水準となっていることから、子どもや若者の対策をさらに強化することも掲げ、SNSを活用した相談体制の拡充などに取り組むとしています。

加藤厚生労働相「各府省が連携して対策推進を」

大綱の決定を前に開かれた自殺総合対策会議で、加藤厚生労働大臣は「今回の見直しでは、子ども・若者の自殺対策、女性に対する支援の強化、新型コロナの影響を踏まえた対策などを、各府省が連携して推進させていくことを目指している。誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて尽力をお願いしたい」と関係閣僚に協力を求めました。