中国 習主席 3期目確実の見方広がる 権威高め「党規約」改正へ

中国共産党は、党大会を前に重要会議を開き、習近平国家主席への忠誠を示す「2つの確立」というスローガンを盛り込んだコミュニケを発表しました。
党大会で、習主席の権威を一段と高める形で「党規約」の改正が行われる見通しで、習主席が党のトップとして異例の3期目入りするのは確実だという見方が広がっています。

中国共産党は、5年に1度の党大会を前に12日まで「7中全会」と呼ばれる重要会議を開き、最高規則にあたる「党規約」などについて討議を行いました。

国営メディアは、会議の内容をまとめたコミュニケを発表し、この中では、習近平国家主席の、共産党での核心的な地位と、思想の指導的な地位を確立するという意味のスローガン「2つの確立」について「新たな時代の党と国家の事業の発展と中華民族の偉大な復興の歴史的な過程にとって決定的な意義があり、深く理解する必要がある」としています。

「2つの確立」は、習主席への忠誠を示すもので、今月16日から始まる党大会で習主席の権威を一段と高める形で「党規約」の改正が行われる見通しです。

また会議では、この5年間を振り返り「世界が注目をする重大な成果を成し遂げた」などと、アピールしています。

中国の政治に詳しい東京大学大学院の川島真教授は、今回の会議について「この5年間をしっかりやってきたと実績を肯定し、習主席の地位も高く持ち上げている」などと指摘しています。

今月16日から開かれる党大会では、69歳の習主席が68歳で指導部を引退するという慣例を破り、党のトップとして異例の3期目入りするのは確実だという見方が広がっています。

東京大学大学院 川島真教授「党主席」復活は読み取れず

中国の政治に詳しい東京大学大学院の川島真教授は今回の会議について「この5年間をしっかりやってきたと実績を肯定し、習近平国家主席の地位も高く持ち上げている」などと述べ、習主席が共産党のトップである「総書記」として3期目入りする可能性が高いと指摘しました。

一方で「『2つの確立』ということばも使われたが、コミュニケそのものに新しい内容があるというわけではなく、これまで言われてきたことばを紡いでいる印象だ」と話していました。

そのうえで「党主席」のポストが復活する可能性については「今回の内容からは習主席が非常に高い地位にさらに飛躍するという書きぶりとまでは読み取れない」としています。

習主席への忠誠示す「2つの確立」とは

「2つの確立」は、習近平国家主席の、共産党での核心的な地位と「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」の指導的な地位を確立するという意味で、習主席への忠誠を示すスローガンです。

「2つの確立」は、去年、共産党が創立から100年を迎えたことを踏まえ、これまでの成果と歴史を総括した「歴史決議」で初めて明記されました。

去年の「歴史決議」は、建国の父と呼ばれる毛沢東と、改革開放政策を進めた※トウ小平が主導したものに続く3つ目のもので、習主席の権威は2人に並ぶほど高まったと受け止められました。

「2つの確立」が「歴史決議」に加え、共産党の最高規則に当たる「党規約」に盛り込まれれば、中国でも別格だとされる毛沢東にも並ぶものだとして、習主席の権威がさらに高まることになります。

また、習主席の共産党での核心的な地位と、党中央の権威と集中的、統一的な指導を擁護するとした「2つの擁護」というスローガンも今回のコミュニケで強調されました。

※「トウ」は「登」の右側におおざと。

松野官房長官「中国共産党大会の動きを注視」

松野官房長官は、午後の記者会見で「採択されたコミュニケの内容を含め、他国の政党の活動について政府としてコメントすることは差し控えるが、わが国としても16日から開催される中国共産党大会の動きを注視していく」と述べました。

そのうえで「日中関係は、さまざまな可能性とともに多くの課題や懸念にも直面している。主張すべきは主張し、対話を重ね、責任ある行動を求めつつ、共通の諸課題には協力するという建設的かつ安定的な日中関係を、双方の努力で構築していく必要があるというのが、わが国の一貫した立場だ」と述べました。