自民 “国賊”発言の村上元行政改革相に1年間の党役職停止処分

自民党は、安倍元総理大臣を「国賊だ」などと発言した村上元行政改革担当大臣について、党員の品位をけがす行為だったとして、1年間、党の役職を停止する処分を決めました。

自民党の村上元行政改革担当大臣は先月、記者団に安倍元総理大臣の「国葬」を欠席する意向を表明した際、安倍氏を「国賊だ」などと発言し、安倍派などが執行部に処分を求めていました。

これを受けて、自民党は12日午後、国会議員や民間の有識者からなる党紀委員会を開き、対応を協議しました。

この中では、村上氏から「発言は本意ではなく不適切な表現で、撤回のうえ、安倍氏の遺族や関係者に謝罪したい」などとする弁明書の提出があったことが報告されました。

出席者からは「発言は許しがたい」などの批判が相次ぎ、「除名すべきだ」という意見もありましたが、弁明書の内容も踏まえ、党員の品位をけがす行為だったとして、1年間、党の役職を停止する処分を全会一致で決めました。

これにより、村上氏は党の意思決定機関である総務会のメンバーなどから外れることになりました。
衛藤晟一党紀委員長は、記者団から「議員の発言の自由を制約することにならないか」と質問されたのに対し「政策に関する発言ではなく、命懸けで取り組んできた安倍氏に対して『国賊』という言い方はあまりにもおかしく、許されないということで意見がほぼ一致した」と述べました。

村上氏「発言を撤回し 深くおわび申し上げる」

村上氏は、処分の決定後、記者会見し「処分を重く受け止める。発言を撤回し、深くおわび申し上げる。安倍氏の山口県の県民葬が終わったら、すみやかに遺族におわびにうかがいたい」と述べました。

その上で「安倍氏を『国賊』などと発言する意図は全くなかった。信念にもとづき、政策的課題に対しては、引き続き、自分の考えを発言していきたい」と述べました。

塩谷元文科相「処分内容は受け入れたい」

自民党安倍派で会長代理を務める塩谷元文部科学大臣は、記者団に対し、村上氏の処分内容について「厳しい意見も出たと聞いているが、最終的に党紀委員会まで開いて決定しているので受け入れたい。村上氏本人が『撤回して反省したい』と弁明したこともあり、大きな気持ちで判断したのだと思う」と述べました。