G7首脳声明「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当」

G7=主要7か国の首脳は、ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を受けてオンラインでの緊急会合を開き、会合後に発表された声明で「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当する」として強く非難しました。

G7首脳のオンラインでの緊急会合は、ウクライナのゼレンスキー大統領も交えて日本時間の11日夜に行われました。

会合のあと発表された声明では、ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃について「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当する」としたうえで「最も強いことばで非難する。プーチン大統領などの責任を追及していく」としました。

また、ロシアによる核戦力を念頭にしたウクライナや欧米へのけん制を非難し「ロシアによる化学兵器、生物兵器、核兵器のいかなる使用も重大な結果が伴うことを再確認した」と強調しました。

そして、ロシアにさらに圧力を強化する構えを示すとともに、ウクライナに対しては必要なかぎり支援を続けていく方針を改めて確認しました。

声明ではウクライナへの支援について、インフラ施設などが破壊される中で地元の人たちが厳しい冬を越すための準備も支える考えを示すとともに、復旧や復興に向けてはロシアから没収した資産をあてることも検討するとしています。

ゼレンスキー大統領 高性能な防空システムの供与など訴え

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、G7=主要7か国の首脳による緊急会合にオンラインで参加し、ロシアの攻撃による被害を防ぐため、各国に対して高性能な防空システムのさらなる供与などを重ねて訴えました。

この中でゼレンスキー大統領は、ロシアは10日と11日の2日間にわたり、ミサイルやイラン製のドローンを使って攻撃してきたうえ、新たにイランから2400機のドローンを購入しようとしていると指摘しました。

そのうえで「ウクライナが十分な数の最新で高性能な防空システムの供与を受ければ、ロシアによるテロ行為の重要な要素であるミサイル攻撃は意味をなさなくなる」と述べ、G7各国に高性能な防空システムのさらなる供与などの支援を続けてほしいと重ねて訴えました。

さらにゼレンスキー大統領は「未来のないロシアの指導者との対話はありえない。平和を阻止しているのはモスクワにいるただ1人の人物だ」と述べて、各国がこれまで以上に連携して、ロシアへの圧力を強化するよう求めました。