ロシア プーチン大統領 橋爆発をウクライナ側のテロ行為と非難

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミアとロシアをつなぐ橋で起きた爆発について、プーチン大統領は、ウクライナ側によるテロ行為だとする見方を示し、非難しました。

プーチン大統領は10日に安全保障会議を開催する予定で、事態の一層の緊迫化は避けられない情勢です。

ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部のクリミアとロシア南部をつなぐ橋で起きた爆発について、プーチン大統領は9日、重大事件を扱う連邦捜査委員会のバストルイキン委員長から報告を受けました。

この中でプーチン大統領は「ロシアの極めて重要なインフラの破壊をねらったテロ行為であることは疑いの余地がない。計画の立案者であり、実行者で、黒幕でもあるのは、ウクライナの情報機関だ」と述べ、ウクライナ側によるテロ行為だとする見方を示し、非難しました。

また、バストルイキン委員長は、犯行は組織的で、ロシア国内や複数の外国の協力者も関与していると主張しました。
この橋は、一方的に併合したクリミアを自国の領土だと誇示するプーチン政権にとって象徴的な意味を持つ重要インフラで、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍にとって戦略的に重要な補給路でもあり、今回の爆発によってプーチン大統領の威信が傷つけられた形になっています。

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は、国の安全保障政策を話し合う安全保障会議を10日に開催する予定で、プーチン大統領が、橋の爆発について新たな言及を行う可能性もあり、事態の一層の緊迫化は避けられない情勢です。

ウクライナ大統領府顧問「テロ行為非難はロシアにとって皮肉」

プーチン大統領がウクライナ側によるテロ行為だとする見方を示したことに対して、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は9日、ツイッターへの投稿で「プーチンがウクライナのテロ行為を非難。それはロシアにとって、あまりにも皮肉なことだ。さきほどロシアの航空機はザポリージャの住宅街に12発のミサイルを打ち込み、13人が死亡した」と書き込み、非難されるべきはロシア側だと訴えました。