ウクライナ 橋爆発の直接関与言及せず クリミア奪還に意欲

ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部のクリミアとロシアをつなぐ橋で8日、爆発とともに火災が起き、橋の一部が崩落しました。
ウクライナ政府は直接の関与には言及していませんが、ゼレンスキー大統領は「われわれの未来は晴れている。それはウクライナ全土、特にクリミアで占領者のいない未来だ」と述べ、改めてクリミアの奪還に意欲を示しました。

ロシアが8年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアとロシア南部を結ぶ唯一の橋で8日、爆発とともに大きな火災が起き、橋の一部が崩落しました。

ロシアの治安機関などで作る「国家反テロ委員会」は、「橋の自動車道路でトラックが爆発し、近くを走行していた列車が運搬していた燃料タンクに引火した」と発表し、ロシアで重大事件を扱う連邦捜査委員会は、現場近くで3人の死亡が確認されたとしています。

人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」が公開した衛星画像では、列車から炎が上がり、黒い煙が立ち昇っているほか、並行する道路が崩落し、一部が海につかっているのが確認できます。
一方、ウクライナの首都キーウ中心部には橋の爆発をモチーフにした大きな絵が掲げられていて、市民が笑顔で記念撮影をする姿が見られました。

20代の男性は、「私たちウクライナ人は皆、この瞬間を待っていたと思う。これはロシアに勝つための大きな一歩だ」と話していました。
ウクライナ政府は直接の関与には言及していませんが、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、SNSに投稿した動画で、「われわれの未来は晴れている。それはウクライナ全土、特にクリミアで占領者のいない未来だ」と述べ、改めてクリミアの奪還に意欲を示しました。

この橋は、ロシアによるクリミア支配の象徴とされるとともに、ロシアにとってクリミアに物資を運ぶ戦略的に重要な補給路としての役割を果たしてきました。

プーチン大統領はミシュスチン首相に対し、政府委員会を設置して原因究明を急ぐよう指示していて、プーチン政権の今後の出方が焦点となります。