反転攻勢強めるウクライナ 奪還した要衝リマンでは集団墓地

ウクライナ軍が今月、ロシア軍から奪還した東部ドネツク州の要衝リマンで、多くの人が殺害され埋められたとみられる2つの集団墓地が見つかりました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、今週だけで東部の広さ800平方キロ近くの領土を解放したとしたうえで、反転攻勢を強めていく姿勢を強調しました。

奪還したリマンで2つの集団墓地が見つかる

ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は7日SNSで、ウクライナ軍が今月ロシア軍から奪還した要衝のリマンで、多くの人が殺害され埋められたとみられる2つの集団墓地が見つかったと発表しました。

このうちの1つではおよそ200の墓が見つかり、もう1か所についても確認を進めているいうことです。

ウクライナでは先月、ロシア軍の支配から解放された同じ東部のハルキウ州イジュームでも集団墓地が確認され、400人以上の遺体が掘り起こされています。

ゼレンスキー大統領「今週だけで776平方キロの領土を解放」

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、公開した動画で「今週だけで東部の広さ776平方キロの領土を解放した」としたうえで「占領されている領土も必ず手に入れることができるはずだ」と述べ、反転攻勢を強めていく姿勢を強調しました。

イギリス国防省「ウクライナ軍戦車 半数以上ロシアから獲得か」

イギリス国防省は「ウクライナ軍の現在の戦車部隊のうち半数以上が、ロシア軍から獲得した車両の可能性がある」と指摘し、ロシア軍が残した装備品を、ウクライナ軍が活用していると分析しています。

国連人権理事会 ロシアの人権状況を調査へ

一方、国連人権理事会は7日、ロシアの人権状況を調査する特別報告者を新たに任命するための決議を採択しました。

決議は、ロシアでは人権団体や独立系メディアなどへの取締りによって表現の自由が著しく制限されているとして、深刻な懸念を示しており、今後選ばれる特別報告者が1年にわたってロシア内外で調査を進め、報告書をまとめる見通しです。