“存続が懸念” 地方の公共交通再構築へ 議論始まる 国交省

人口減少やコロナ禍の影響で利用者が落ち込み、各地で鉄道やバスなどの存続が懸念されるとして、地方の公共交通の再構築にむけた国の議論が始まりました。今後、新たな法整備も視野に対策を検討する方針です。

国土交通省は、地方の鉄道やバスなどの多くが危機的な経営状況に陥っているとして、赤字が続く地方鉄道の在り方や、コロナ後の地域交通に関して2つの有識者会議がまとめた提言をもとに、7日から審議会で具体的な対策の議論を始めました。

会議には有識者のほか鉄道やバスなどの業界団体の関係者らおよそ30人が出席し、はじめに国土交通省の担当者から、全国の一般路線バスの事業者の99.6%が赤字に陥り、経営破綻した例もあることや、JR6社では1キロ当たり一日に平均何人運んだかを示す「輸送密度」が、2000人未満の路線が38%になっている現状が説明されました。

その後、非公開で行われた議論では、出席した有識者などから、地方の公共交通の存続は医療や教育など生活全般に関わる問題だとして「国の予算を総動員させてでも、対策を急ぐべきだ」といった意見が相次いだということです。

国土交通省は、今後、鉄道やバスなどの交通体系を包括的に支援していくための法整備なども視野に議論を進め、来年1月下旬ごろに中間取りまとめを行うことにしています。