国連 ウクライナから小麦など農産物輸出合意の期限延長に期待

ウクライナからの小麦などの輸出が安全に行われるよう監視にあたる共同調整センターの国連のトップがNHKの取材に応じ、両国の緊張が高まる中でも、輸出は進んできたとして、11月下旬に迎える合意の期限が延長されることに期待を示しました。

共同調整センターはことし7月、ロシアによる軍事侵攻で、ウクライナから小麦などの輸出が滞ったことを受けて、両国と仲介役のトルコと国連が結んだ合意に基づいて設置され、ウクライナからの貨物船が安全に航行できるよう4者で監視にあたっています。

共同調整センターの置かれるトルコのイスタンブールで6日、国連側のトップを務める、アブドラ調整官がNHKの取材に応じました。

アブドラ調整官は、5日時点で、およそ270隻の船が合わせて600万トン以上の農産物をウクライナから輸出したことに触れ「ウクライナの農家は再び作付けできるようになり、世界の食料価格も下がった」と述べ、大きな成果を上げていると強調しました。

そのうえで「双方の間の緊張は明らかに高まっているが、センターでは、船を動かし、輸出を止めないことに集中している。この取り組みを続けることは紛争を終えるための一歩になりうるかもしれない」と述べ、11月下旬に迎える合意の期限が延長されることに期待を示しました。

一方、アブドラ調整官は食料価格の安定などのため、ロシアから肥料の原料となるアンモニアの輸出に向けて関係者と議論を続けていることも明らかにしました。